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LinuxWorld Conference & EXPO New York レポート その2

2000年02月05日 01時08分更新

文● 宮原 徹

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日刊アスキー Linuxでコラム「ソフトウェアベンダーから見たLinux」を執筆中の宮原 徹氏に、LinuxWorld Conference & EXPO New Yorkをレポートしていただきました

 み。@NYです。

 1回目のレポートが、デジカメの設定を間違えたおかげで写真データが大きくなってしまい、日本への転送に失敗していたようです。結局、速報にならずにちょっとブルーになってしまいましたが、気を取り直して、LinuxWorld NYのレポートを続けたいと思います。

2月2日(水曜日)のその後

 さて、前回のレポートを日本に送信したあと(結果的には送信失敗でしたが)、BOF(Birds Of Feathers)に参加しました。いわゆるテーマディスカッションです。いくつかのテーマが設定されていましたが、私は「PHP」に参加しました。BOFルームに入ると手前に20人ぐらいの輪ができていて、何かと思ったらLSB(Linux Standard Base)でした。こちらでもLinuxの共通化、標準化は皆関心を持っているようですね。日本の場合にはさらにローカライズ、国際化といった課題もあるだけに、日本国内でもさらに積極的に取り組まないといけないテーマなのではないでしょうか。

 さて、お目当てのPHPのテーブルはさらに奥にあったのですが、居るのはたったの3人。米国ではPHPは若干人気がないのかもしれません。私としては気軽に参加できたのがよかったですね。3人の顔触れはPHPのコア開発メンバーRasmus氏(9人いるらしい)、NYからちょっと離れたところから来たシステム開発者、無口な若者(結局最後まで一言も喋らなかった)といったところ。最初はRasmus氏が彼自身がビジネスでPHPとデータベースを連携させてシステム開発をしている際の、クローズドソースによる苦い経験談(某データベースの問題について。耳の痛い話でした)をしていました。その話が終わったところで途中参加の私が自己紹介をして、日本のPHPの状況やいくつかの技術的な質問をしてみました。特に印象に残ったテーマが日本からの開発への参加状況についてです。コア開発メンバーから見ると、日本で行なわれている国際化についての作業は非常に嬉しいとのこと。ただ、協調作業を行なう際に、どうしても言葉(英語)の壁があって、改善点のフィードバックなどが間接的なコミュニケーションになりがちといった点が、とても気になるそうです。これはPHPに限らずすべてのオープンソースなソフトウェアに当てはまることなのではないでしょうか。もちろん、一部の方は臆せずどんどんコミュニケーションに参加している事実もありますが、もっともっと世界に飛び出ていけるのでしょうね。つたない英語でも構わないので、ガンガンチャレンジしたいですね。なんとかなるものです。

宮原 徹

プロフィール

宮原氏の写真

1972年生まれ、神奈川県出身。中央大学法学部卒。現在、日本オラクル(株)Linux事業推進部に所属。日本国内でのビジネス用途でのLinux利用促進の為、日夜活動を行なっている。月刊アスキー・ネットワーク・プロにて、Linuxサーバ「blue grass」を扱った「小さくてもe-business」を連載中。

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