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GNUjdocが、GNU ProjectのWebサイトの「Software」ページに加わる

2000年02月03日 04時07分更新

文● 沖中 弘史

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 GNU Projectの標準マニュアルフォーマットであるtexinfoで書かれたマニュアルを、日本語に翻訳し、パッケージ化することを目的とするプロジェクト「GNU日本語ドキュメント・パッケージ(以下GNUjdoc)」が、GNU ProjectのWebサイト「Software」ページに加わった。

 UNIXの標準マニュアルフォーマットであるroffフォーマットのマニュアルは、JM ProjectやX Japanese Documentation Projectによって日本語への翻訳が進められ、その成果を現わしているが、GNU Projectの標準マニュアルフォーマットであるtexinfoで書かれたマニュアルは、現在個人がボランティアで個別に翻訳しているのが現状。

 GNUjdocはGNUの日本語化されたマニュアルを一元的に管理し、簡単にインストールできるような仕組みを提供することを目的としている、という。また、現在の問題点として、

  • あるマニュアルが日本語訳されているかどうかを、簡単に知る方法がない
  • あるマニュアルの日本語訳がどこにあるのかを、簡単に調べる方法がない
  • マニュアルごとにインストール方法がばらばらで、ユーザーにとって面倒
  • 自分が翻訳したマニュアルを、どのように他の人に使ってもらえるのか分からない

などが挙げられている。これらの問題を解決する方法として、マニュアルを「CVS」で管理し、「Autoconf」と「Automake」を用いてパッケージ化するという作業を行なっているという。

 GNUjdocがGNU Projectの認知しているソフトウェアに加わることによって、

  • 配布方法の統一
  • 翻訳する際の用語の統一などによる質の向上
  • これまでに個人のボランティアにより翻訳されたマニュアルを1カ所にまとめることができる
  • GNU Projectが認知しているという安心感が得られる

ことなどが期待される。

 現在配布されているマニュアル(未完のものを含む)には、

  • Autoconf 2.12
  • Automake 1.3
  • Bison 1.28
  • CVS 1.10.7
  • Emacs 20.3
  • Flex 2.5.4
  • GDB 4.18
  • gzip 1.2.4
  • Hurd 0.2
  • GNU coding standards

などがある。

 インストールには「Autoconf」と「Automake」の知識が必要となり、「RPM」などのパッケージ管理ソフトウェアを使用しているようなエンドユーザーには少しハードルが高いかもしれない。また、見方を変えるとLinuxのディストリビューター向けといえる。

 現在、GNUjdocの管理は、山下貴生氏によって行なわれている。

 「CVS」を利用したマニュアルの取得方法は、以下の「gnujdoc site」ページを見ていただきたい。

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