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東京農業大学のLinux―VA Linux Systemsジャパン導入事例

2001年01月15日 01時28分更新

文● 吉川

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VA Linux Systemsジャパンは、始動直後ということもあり、現在もっとも注目を浴び、かつショウ関連でも目立つ出展を行なっている企業だ。また、米国本社CEO兼社長のLarry Augstin氏は、積極的にオープンソースビジネスを啓蒙する1人で、オープンソース企業の雄として、常に注目を集める企業でもある。

こうして、鳴り物入りで日本進出を果たした同社の製品は、どこで、どのように使われているのだろうか。昨年(2000年)10月、編集部では、VA Linux Systemsジャパンの製品を導入、運用を開始した東京農業大学を取材し、VA採用の経緯や実際の稼動状況を取材した。

東京農業大学敷地
東京農業大学。木々が立ち並ぶ中庭はスペースもゆったりしており、環境は抜群だ。

まず、東京農業大学のシステム構成だが、

  • 世田谷
  • 厚木
  • オホーツク(網走)

のうち、世田谷―厚木キャンパス間を、TTNETの512Kbpsの専用線で、世田谷―網走間を、NTTの128Kbpsの専用線で接続、インターネットへは、大学用のインターネット接続サービス「JOIN」にて、東京理科大を通じて1.5Mbpsで接続している。

人事、財務、資産、学籍簿や履修、成績などの基幹系データは富士通のメインフレームとパソコンが半々程度で運用されているという。取材した世田谷キャンパス内は、

  • 基幹ATMスイッチ……156Mbps
  • 一部ルータ/ハブ間……100Mbps
  • ハブ/PC間……100/10Mbps

のネットワークが、各教室や研究室に敷設されており、教室には無線LANも用意されている。演習室クライアントマシンはWindows 2000とのことだ。

今回Linuxは基幹系ではなく、研究や教育環境、一部事務の充実といった面で導入された。主な使用目的は外部向けのWebサーバや、入学案内、願書の無料請求システム、グループウェアである。今後はWebを使った講義情報(「シラバス」というそうだ)のWebパブリッシング化や、さらに履修や学習支援につなげるといったコストダウン策も検討中だという。

具体的には、同校の校内LANを管理する電子計算器室に、VA Linux Systemsジャパンの2Uマシン「VA Linux 2200」を計4台配置した。その内訳は、以下のとおり

VA Linux 2200写真
4台の「VA Linux 2200」。UPSやストレージを含め、システムすべてが1つのラックに収納されている。

Webサーバ(2台)
CPU……Pentium III-700MHz(デュアル構成)
メモリ……1GB
ハードディスク……18GB(SCSI接続)
データベース用サーバ
CPU……Pentium III-750MHz(デュアル構成)
メモリ……2GB
ハードディスク……90GB(RAID5構成 ホットスワップ化)
グループウェア用サーバ
CPU……Pentium III-700MHz(デュアル構成)
メモリ……512MB
ハードディスク……36GB(SCSI接続)

また、これらのシステムのバックアップとして、HPのテープドライブが導入されている。

HPのストレージ写真HP SureStore Autoloader818

HP SureStore Autoloader818
容量……640GB
スロット数……8(固定2、リムーバブル6)

コンピュータスイッチ
HPのストレージ脇には、コンピュータスイッチが配置されている

UPS写真
UPSはAPCの「Smart-UPS 3000」。APCの製品も、かなり以前からLinux対応を行なっている。

では次ページで、導入の理由と実際の運用を見ていこう。

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