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サン・マイクロシステムズのワークショップ「Linuxとサン」概要

1999年09月30日 07時56分更新

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 LinuxWorld Expo/Tokyo '99初日の9月29日、「Linuxとサン」というテーマのワークショップが行なわれた。

 まず、現在、Sunのハードウェアに対応しているLinuxとして UltraSPARC用の、UltraPenguin、Debianなどをあげた。またVine Linuxも対応を予定し、それに対してSunはハードウェアの貸し出しなどのサポートを行なっているという。また、日本語対応に関しては、伊藤忠テクノサイエンスにより、UltraPenguinベースでVine Linuxの日本語化部分を加えたものを検討中だという。

 さらに、Javaに関しては、Linux用のJDKであるBlackdownといったプロジェクトも進行中だという。

Linuxとサン「Linuxとサン」について講演するサン・マイクロシステムズ 樋口貴章氏

 次に、現在、話題になっているMicrosoft互換のオフィススート「StarOffice」について、なぜ「Sunがアプリケーションに手を出したのか」という点に関しての解説があった。「Sunのビジネスはプラットフォームビジネスではあるが、ワープロ、表計算のデータが大量に流通している現在、もはや、オフィススートはプラットフォームに近いといえるのではないか」という解説がされた。

 また、一部で問題になっている「Star Office」やJavaのライセンス形態であるSun Community Source Licenseについて、なぜ、オープンソースでないのかという点に関して、「最終的なメンテナーの責任をはっきりさせたい。そうしないと、ビジネスユーザーは引きつけられない」という説明があった。

 そして、なぜSunがLinuxとかかわるのかということに関しては、「オープンスタンダードの重要性」があげられた。「ネットワークに関してはTCP/IPが、アプリケーションに関してはJavaが、データに関してはXMLが将来的にはスタンダードになると見ている。しかし、OS部分に関してはまだ、Linuxはスタンダードとはいえない。基盤をかためる作業をしたい」という。

 最後に、Sunが提唱してきた「Network Is The Computer」という言葉をあげ、ネットワークベースのコンピュータソリューションを提供したい、そのための、1つの選択としてのLinuxである。また、ネットワークが普及することは、それを支えるサーバを供給するSunの利益にもなることである。と結んだ。

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