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「Linux magazine」月刊化 岩本編集長インタビュー

1999年09月09日 17時01分更新

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 今まで隔月で発行されてきた「Linux magazine」(アスキー)が、9月8日発売の10月号より月刊化された。同誌は1999年に創刊されたLinuxの専門誌。これまでに3号が発行されている。

 10月号は、CD-ROMおよび別冊付録「Linux関連用語辞典」で特別定価1280円。特集は「Linux vs Windows NT」、「Webグループウェア徹底ガイド」となっている。

Linux magazine「Linux magazine」10月号と付録の「Linux関連用語辞典」

 この日刊アスキーLinuxも、Linuxに関する総合情報の提供を目的としており、「Linux magazine」のもうひとつのホームページといった役割も担っている。

 日刊アスキーでは、11月号の準備に余念のない岩本編集長にお話を伺った。

岩本編集長
「Linux magazine」の好調な出だしに微笑む岩本編集長
[日刊アスキー] 月刊化、おめでとうございます。今まで3号を隔月で発行されてきたわけですが、読者の方の反応というのはいかがでしょうか。
[岩本編集長] 感触は非常にいいですね。「Linux magazine」では、他の雑誌とはテイストを変えて、バリバリにLinuxをやっている人でなくても読みやすいように、ということを心がけています。デザインにも力をいれているし、カラーページも豊富にとっています。以前からUNIXに触れていない人にもやさしく、みたいな感じですね。ここ1年以内に始めたという人が、数からいうと圧倒的でしょうから。そういう意味で、わりと好感をもたれているようですね。
[日刊アスキー] 読者の方はどんな人が多いのでしょう。
[岩本編集長] コンピュータ歴そのものは長い方が多いですね。MS-DOS時代のコマンドラインを知っている人とか。で、年齢もわりと高い。Windowsから使い始めたという人は少ないです。そういう人達には、まだ、ちょっと抵抗があるんでしょうか。まだOS自体に興味をもつまでに至っていない、という理由もあると思いますし。ただ、これからはWindows世代の人もどんどん入って来ると思います。インストーラはもうだいぶよくなってきています。GUI環境も充実していくでしょうし、設定方法などもわかりやすくなっていくでしょうから、入って来やすいでしょう。
[日刊アスキー] Linux初心者がメインターゲットですか。
[岩本編集長] もちろん、かなりわかっている人にも読みごたえのある技術系の記事を、用意してあります。ただ「さあ読むぞ」ではなく、軽い気持で手にとって読んでいただけるように、心がけています。また、ハードウェアの記事も頑張っていきます。今号では「5万円で作るLinuxマシン」という記事をやっています。さきほども言ったように、ほとんどの読者がLinuxは入門だけれども、パソコンそのものは入門ではないという方々です。Linuxをやろうというくらいの人だから、みなさんかなりガッツがある。好きだし、勉強しようという人ですね。
[日刊アスキー] 難しいことでもその内容について来てくれる。
[岩本編集長] 道筋をきちんと示すことは大事ですけれど。それに、Linux自体はものすごい速さで変わって行くので、ある程度スキルのある人でも、流れを追いかけていくにはどうしても勉強が必要になります。ですから、こちらとしても、わかりやすくて、正確な内容をきっちりおさえるようにしています。
[日刊アスキー] Linuxの変化の速さを追いかけていくのは、月刊でもけっこう辛いと思いますが。
[岩本編集長] まあ、正直に言ってしまうと、追いついて行くというのは不可能なんですね。しかし、陳腐化しない情報というのはあります。Webなどではちょっと書ききれないものはありますよね。だからニュース的な速さを求めるものは、Webにはかなわないかもしれないけれど、ノウハウや知識といったものを、きちんと図や写真でしっかり読んでもらえるようにしています。
[日刊アスキー] 紙面には「Super ASCII」のイメージがありますね。
[岩本編集長] そのカラーは意識的に残していますね。もともと「Super ASCII」は早くからLinuxに注目していましたし、そのテイストがあってもいい。硬派なイメージといいますか。そのテイストはどこまでも押えておきたいと思っています。
[日刊アスキー] 今まで聞いたお話からすると、ちょっと技術的な内容ばかりで、ハードルが高くなりそうな感じもするんですが。
[岩本編集長] でも、前号ではフリーソフトウェアの特集もやりましたしね。けっこう評判はよかったんですよ。「楽しむ」というのも大事です。Linuxで動く適当なアプリケーション、楽しいアプリケーションをみんな探せない。OSはインストールして動いているんだけれども、じゃあそこで「私はこれから何をすればいいのか」ということになる。楽しく使うとか、遊びとかいった部分がまだ弱いですね。Webサーバにしておしまい、というなら、それはそれでいいのですが。今回もフリーのアプリケーションの紹介もたっぷりやっています。ゲームも紹介しています。
[日刊アスキー] ビジネス関連の記事というのはどうなりますか。
[岩本編集長] ビジネスに使うという意味では、まだLinuxはまだ弱いですよね。オフィススイートみたいなものも少ないし。まだLinux1台だけで話が終わる状況ではない。Windowsのワープロや表計算と併用している段階です。ただ、グループウェアのようなネットワーク機能を活かしたものは、けっこうよくなってきていますね。これからはソリューションが充実していくでしょうから、ビジネス関連はきちんと追っていこうと思っています。
[日刊アスキー] クライアントではなくてサーバとしてはどうでしょう。
[岩本編集長] Windows NTの代替としてとらえられることが多いですよね。データベースのバックエンドのエンジンという用途も多い。もちろん、こうした方面もきちんと毎号押えます。ただリアルビジネスの世界では、NTに比べてまだ普及は低いでしょう。
[日刊アスキー] でもSGIしかり、ハードウェアメーカーもLinuxに力を入れ始めていますよね。
[岩本編集長] まあ、やっぱりNTは不安定だという人もいますから。使い方にもよるんでしょうけれども。だから、Linuxをきちんとサポートをする所がでてくれば普及の勢いは強まると思います。
 Linuxのいいところは、たくさんあると思います。オープンソースだから、見通しがよくて、バグフィックスも速いし。サポートをきちんとする業者がどんどんでてくれば、大きいところはともかく、中規模のサーバはリプレースが急速に進んでいくでしょう。ただ、NTのほうがいいところもあります。たとえばGUIですね。サーバのメインテナンスもGUIでやりたいな、という要求がありますから。
[日刊アスキー] 今日、World PC Expoに行ってきたんですが、管理者の仕事をWebブラウザからGUIで設定できるサイハイトのinfoAliveのようなシステムなども展示されていましたね。
[岩本編集長] そうそう、そういうのが増えているでしょ? 次号ではそのへんを特集する予定です。大メーカーがサポートしはじめているので、ブレイクするのは間違いないでしょう。
 日刊アスキーでも「Linux magazine」とタイアップして、今後のLinuxシーンを盛り上げて行くつもりである。乞う御期待。

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