このページの本文へ

『Linuxネットワーク』

1999年07月23日 00時00分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

『Linuxネットワーク』

著者 小山裕司、斎藤靖、江後田基広、川井俊、木村稔、小島三弘、佐々木浩、中込知之、播口陽一

トッパン ISBN 4-8101-8961-9  価格4800円(税別)

 本書は、第2回目で紹介した『Linux入門』の 続編です。背表紙を見ると、『Linux入門』は1、『Linuxネットワーク』は2です。順番にそろえるようにという意図でしょうか。

 Linuxのインストール本と最低限のネットワーク設定を書いた本は多数転がっていますが、それから一歩踏み出した本は本当に少なくて、探すのすら困難な状態です。また、あっても内容的に不十分であったり、古くて実用にならないなど、とにかく困った状態が続いていました。

 そういう時に、この本が'98年の暮れに出てきました。本の体裁は『Linux入門』同様あっさりしたものですが、600ページを越える分厚さで、Linuxを使っている人がネットワークを管理する上で参考になる事項が多数載っています。なおかつ新しい本ということで、とりあえず入手して座右に置き、時々読んでいたのですが、関係者が勝手に利用したりするもので、ついに通読などという夢は実現できないままです。表紙も左下の角の付近を少し破られて、目立たないように裏からセロテープで補強しましたが、注意すると見えます。

皆に使い込まれて、カバーの一部は破れてしまった

 本書を読めばすべてが済むというほどネットワークは簡単なものではなく、一人前のネットワーク管理者になるためには、もっと専門的に個々の分野を極める必要があります。メール、FTP、Web、PGP、セキュリティなど大抵のものが1冊の分厚い本で出ているので、そちらに挑戦しなければなりません。これらの本に取り掛かる前段階で、ネットワーク全体の概論的な知識を本書で多くの人々が身につければ、下らないトラブルとか、勘違いも相当に減るのではと思います。

 ネットワークがどんなにたいへんかは、本書の著者が9名による各分野に精通した人々で行なわれていることからも分かると思います。私は、Linuxのネットワークについてちょろちょろ調べるのに便利な本として利用しています。私はネットワークは専門ではないので、今後も必要な設定だけを求めて本書をめくり続けることでしょう。

(藤原博文)

「コラム / 身勝手読書感想文」で紹介された「ホップ!ステップ!Linux!」、「Linux入門」、「Linuxネットワーク」をそれぞれ1名の方にプレゼント致します。ご希望の方は、住所、氏名、年齢、電話番号、メールアドレス、ご希望の書籍名、「日刊アスキー Linux」へのご意見、ご感想をご記入の上、linux24@ml.ascii.co.jpまでメールにてご応募下さい。締め切りは7月31日(土)です。当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます。(提供 翔泳社(株)、(株)トッパン)

藤原博文

プロフィール

藤原博文

パズルを解くためにTK-80などに手を出したが、BASICの低速性が気に入らず、ついコンパイラを作ってしまった。それ以降はソフトウェアの世界から足抜けできなくなり、逆にパズルをする暇がなくてストレスが溜っている。UNIXはVAXの頃から使い始め既に20年近く、Linuxは4年前より日常的に利用している。ホームページはhttp://www.pro.or.jp/~fuji/
 

カテゴリートップへ