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“Business Linuxへの第1歩”をテーマに第1回セミナーを開催

UBA Linux部会が活動を開始

1999年04月14日 00時00分更新

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UBA(Unix Business Association) Linux部会はLBI(Linux Business Initiative)と共同で、第1回Linuxセミナーを開催した。UBAは、'91年にUNIXビジネスの発展を目的に共通の情報基盤を作るため、ソフトウェアメーカーが中心となって設立した任意団体。Linux部会は、このUBAの部会の1つとして、Linuxビジネス市場を拡大し中小企業のビジネスをサポートすることを目的として、'98年12月に設立された。Linux部会の4月1日からの正式な活動開始に合わせて、本日第1回目のセミナーが開催された。

“Business Linuxへの第1歩”をテーマとして行なわれた今回のセミナーでは、(株)サードウェア代表取締役でLBI代表の久保元治氏、(株)テンアートニマーケティング部の佐藤栄一部長、サン・マイクロシステムズ(株)ディベロッパー・プログラム推進部マネージャーでLBI会長の樋口貴章氏が講師として登壇。内容は、久保氏が“Linuxの概要と導入の視点”と題してLinuxの歴史などを、佐藤氏がネットワーク構築からシステム導入などを中心とした“Linux導入事例”を語るなど、技術的な話や最新動向というよりも、Linuxのメリットや具体的な事例紹介などの話題が中心となった。

質疑応答では、参加者から「Linuxのディストリビューションが多くなると、互換性が問題となるのでは」といった質問や、「クライアントとしてのLinuxの可能性は」といった疑問が挙げられた。

これらの質問に対して久保氏は、「確かにLinuxはまだまだ発展途上で未開発な部分も多く、当面は互換性で混乱が起こる可能性はある。ただ、Linuxはソースコードが公開されており、他のディストリビューションが開発した機能でも簡単に取り込んで修正したりできる。こうした状況なので、ディストリビューションメーカーも、LinuxというOSを囲いこんで独占しようとはしないはず」と説明した。

UBA会員と一般からの参加を含め、約80人が出席した
LBI会長でサン・マイクロシステムズ(株)の樋口貴章氏

また、クライアントとしての可能性については、「アプリケーションの品ぞろえはもとより、操作性、使い方に対する教育的な問題があり、オフィスワークとしてのクライアントとしてはまだ使える状況ではないだろう。ただ、Linuxはi486といった古いプロセッサーでも動作するので、データ入力端末といった専用マシンといった位置付けであれば、コスト削減の効果もかなり高くなるはず」とクライアントOSとしての現在の可能性についても述べた。

セミナーはUBAとLBI会員が主体だが、一般の参加も可能で、今回は合計約80名が出席した。比較的スーツ姿が目立ち、開発の職種でも直接現場に携わるという人よりシステム導入に関わる人たちが多かったようだ。

LBI会長でサン・マイクロシステムズ(株)の樋口貴章氏
UBA会員と一般からの参加を含め、約80人が出席した

Linux部会会長の樋口氏によれば、「Linuxは現在、新聞や雑誌など多くのところで取り上げられ、少なからずLinuxブームというバブル的な要素も感じられる。Windows NTが登場したときも同じ現象が見られたが、Linuxはすでに使用しているユーザーがいるという面でNTとは異なる。Linux部会ではこうしたブーム的扱いではなく、ユーザーを中心に地に足がついた活動を進めて行きたい」とした。

また、今後の予定としては「2~3ヵ月に1度のペースでセミナーを開催する。まだまだLinuxの分野で講演できる人が少なく講師の確保が難しいが、今後はアプリケーションの話題や技術者を対象にしたテーマも取り入れる予定。Linux部会と同様、1日から活動が開始されたLinux協会とも協調してオープンな活動を進めていくが、Linux部会としてはパブリックな内容だけでなく、フットワークの軽さも活かした活動を行なっていきたい」と述べた。

現在、Linux部会の参加企業は18社。UBA全体では約90社になるという。主催したHacker's Salon of Tokyoによれば、第2回、第3回も開催して、Linuxユーザーの交流を深めていきたいとしている。

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