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日本のインターネット黎明期を支えた、石田晴久氏が死去

2009年03月09日 20時50分更新

文● 編集部

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 日本にUNIXを紹介し、インターネット発展に尽力してきた石田晴久氏が、3月9日に心筋梗塞のため死去した。72歳だった。

石田晴久氏。写真はUNIX magazine 2007年1月号に寄稿されたときのもの

 石田氏は、東京大学計算機センターに在職していた1970年代に、日本にUNIXを紹介。UNIXやC言語に関連した書籍を翻訳した。1983年には日本UNIXユーザ会を村井純氏と設立。1984年10月には東京大学・慶應義塾大学・東京工業大学を結んだ研究用ネットワーク「JUNET」に協力し、日本のインターネットの礎を築いた。

 1961年に東京大学数物系研究科修士課程修了後、アイオワ州立大学で博士号を取得。米マサチューセッツ工科大学研究員を経て、電気通信大学助教授,東大大型計算機センター助教授(1982年に同教授、1997年に名誉教授)、多摩美術大学教授情報デザイン学科教授・メディアセンター所長などを歴任した。2007年には、サイバー大学IT総合学部長に就任。後進の指導に当たっていた。

談話:アスキー総研所長・遠藤諭

 3月2日の情報処理技術遺産の認定式(上野の国立科学博物館の日本館講堂であったのですが)でお会いしたときには、いつものようすで元気そうだったので大変に驚いています。

 アスキーに席を置かれたこともあるし仕事でもいろいろ助けてもらったり、いまメールボックスを見ると毎年いろいろとお願いをさしあげていたことが分かります。

 いちばん記憶に残っているのは、月刊アスキーの1997年7月号の「祝!パソコン20年記念対談安田寿明VS石田晴久VS西和彦」という記事ですね。石田先生と安田先生が、西さんに突っ込んだりして個人的には大変にためになったし楽しい座談会でした(PCの本当の初期の知らない話がたくさん聞けた=記事にできたのはほんの一部)。

 石田先生というとUNIXという印象がありますが、PC系でも初期の段階からやられていたのですよね(岩波書店の『OS雑学』などを読んでもそのことは分かるのですが)。まだまだご活躍できたはずで、本当に残念です。

 ご冥福をお祈り申し上げます。

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