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ゼロ年代にネットが生んだ異才の日本語ラッパー

ニコ動発・EMIデビューのらっぷびと、心境を語る

2009年02月27日 12時00分更新

文● 編集部

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ニコ生では「伊藤伸恵」の名前が出てこなかった

―― EMIからはどんな形でオファーがかかったんですか?

らっぷびと「Rap Beat」

らっぷびと 何だったんでしょう?w 実はインディーズの1st「RAP BEAT」を発売する前から話自体は決まっていたんですよ。はじめにシングルを出そうとか、そういうことを昨年の夏から冬にかけて企画していたんです。

 ただ、いきなりメジャーに出るよりも一度インディーズで形にしたかったんですね。「どういう風に出来上がるのか」を見てみたいという気持ちがあったんです。経験として絶対にいいだろうという。ぶっつけでメジャーに行ったら絶対にコケるんじゃないかと。


―― その後、ニコニコ大会議タワレコ渋谷店でのインストアライブなどイベント目白押しでしたよね。

らっぷびと 怒涛でしたね。アルバム制作と同時進行でライブやニコニコ大会議があって、IKZOさんのリミックスもあって。「空想ルンバ」もその頃に作っていたので、けっこう忙しかったですね。

 しかしニコニコ大会議は本当によくわかんないイベントでしたよねww お客さんの反応も良くて、面白いイベントだなとは思ったんですが「なんでオレの横をトルシエが通りすがるんだ?」という。すごいイベントでしたね。

ニコニコ大会議2008年冬より。フィリップ・トルシエ監督や、ヒップホップアーティスト童子-Tが出演するカオスすぎる新製品発表会だ


―― その後でニコニコ生放送に出演されていましたよね。結構いじられていて、愛されてるなあと思っていましたが。

らっぷびと いや、「アベ! アベ!」ならまだいいんですけど、「ロリコン」という汚名がつくとちょっとエグいものがあるなとw いや、質問で「好きな漫画のキャラクターは誰ですか」と聞かれたんですよね。

 本当は「苺ましまろ」に出てくる伊藤伸恵っていう短大生のキャラクターが好きだって言いたかったんですけど、それをちょっとド忘れしてしまったんですよ。「まずい、何か言わなきゃ」と思って「らき☆すた」の泉こなたっていうキャラクターの名前を出してしまったら、まずそこで「ちっちゃい子が好きなのかお前」と言われてwww

 さらに好きな声優は誰ですかと聞かれて、パッと思い浮かんだのが斎藤千和さんという方だったんですね。「ぱにぽに」というアニメの中で小学生役を担当していたんですよ。その2つが出た時点で「お前はロリコンだ」みたいな。

 終わったあとにWikipediaの「らっぷびと」項目に「日本のロリコンである。」と追記されていて、さすがにちょっと勘弁してほしいなとwww

タワレコ渋谷店で開催された、IKZO(吉幾三)氏とのインストアライブ。吉氏から「アベ!」(本名)と気軽に呼びかけられるたび「あべwwwwwww」とコメントが殺到している


―― そうしてニコニコ動画でデビューしたわけですが、今後もニコ動をグラウンドとした活動は続けていくんでしょうか。

らっぷびと 変わらず投稿はつづけたいなと思っていますし、ニコ動自体も面白いと思うんですが、あくまでぼくの中では「ツールの1つ」という感じです。インターネットで作品を投下する場所として考えているだけなので、別にニコ動に固執しているわけではないんですよね。

 アンダーグラウンドシアター(ネットラップ初期を支えた音源交換サイト)とかMySpaceとか、インターネットの中で発表できる場所の1つとして選んでいるということです。コメントがダイレクトに返ってきたり、再生回数が分かりやすかったりという点では面白いと思いますね。

 やっぱりネットラッパーがネットで発表しなくなったら「負け」だと思いますから、これからもネット投稿はつづけますよ。


―― きちんとしたスタジオで録って、編集した音源ってけっこうお金がかかってますよね。それをネットにアップすることに対する抵抗感みたいなものはないんですか?

らっぷびと やり方だとは思うんですよね。たとえば、今回のシングルCDにショートカットが入っている「今日から君もネットラッパー!」という特設サイト内でダウンロードできるトラックはみんなに使ってもらってますし。ぼく自身がデモ段階の曲を上げても面白いと思いますし、他にも色々とやり方はあると思います。

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