2. 関連性を見せられる
たとえば3つのグラフを順に見せて、それぞれについて言えることを指摘し、1つの提言を行なうとします。これをPowerPointで書くと、だいたい7枚くらいを要してしまいます。
しかし、同じ内容は図2のように1枚でも表わすことができます。こうすると、3つのグラフを同時に比較して見てもらえ、1番目と3番目のグラフが相互に関連し合っていることもフローで見せることができます。
企画書とは1枚単位で切り替わる単純な流れではなく、巧妙な小説のように、伏線をいくつも張って、相互の関連性を印象づけながらクライマックスへと導くものです。それを可能にするのが「1枚企画書」です。
3. インパクトがある
実際に1枚で完結した企画書を見せると、クライアントの誰しもが、ちょっとした驚きの表情を浮かべます。そしてきまって「何のソフトで作ったのですか」と聞いてきます。特に前ページの図1のような縦型のビジネス文書はこれまでワープロソフトの独壇場だっただけに、その豊かなビジュアル性とも相まって、新鮮に映るようです。
実はその時点で、プレゼンの何%かは成功しています。極言すると、企画書の第一印象とは「脅し」なのです。
「企画書は1枚で」というのは別段、新しい考えではありません。
しかしここで提案しようとしているのは、従来のものとはまったく異なるメソッドを持ったものです。もしあなたが、明日までに企画書を提出しなければならないとしたら、一度本書(『パワポで極める1枚企画書』)をご覧になり、100例の事例のなかから適当なものを探し出し、あてはめて考えることをお勧めします(事例に関しては、汎用性の高いものをいくつかピックアップして、連載第3回より紹介していきます)。
その際に、どうしてそうなるかという理論的なことは関連するレクチャー編がありますので、そちらを参照してください(レクチャー編については次回第2回の連載で、その一部を紹介します)。
レクチャー=メソッドの解説に移る前に、PowerPointで作る「1枚企画書」の基本的操作方法について説明しましょう。
(次ページ、「1枚企画書を作成するための準備」に続く)
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