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T教授の「戦略的衝動買い」 第42回

もっさりVAIO type Pとの闘い

2009年02月23日 12時00分更新

文● T教授

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お、遅すぎる……


 待つこと約3週間、待望のtype Pが届いた。喜んだのもつかの間、起動した瞬間、また「失敗した!」と思った。「Vistaは遅すぎる……

 もちろんWindows Vistaパソコンの購入は決して初めてではなかった。実はThinkPad X300もVistaではあったが、起動する前にWindows XPにダウングレードして、殆どVistaの顔は見たことがなかった。残念ながらtype Pにはそんな抜け穴がなかった。もちろん、そのことは承知の上で購入したのだから、悪いのは自分だ。

 散々、愚痴を周囲に漏らし終えた頃、知人から聞いた言葉は、「遅いのは決してVistaだけのせいではない。問題はプリインストールソフトだ!」という聞き捨てならないモノだった。アドバイスに従い、多くの不要と思えるプリインストールソフトを余り自信のないままアンインストールし始めた。

ほぼ丸一日、プリインストールソフトのアンインストールに無駄な時間を費やした

 「Widgetマネジャー」「VAIO Content Metadata 」「VAIO Wallpaper Contents」「Sony Picture Utility」「VAIO Guide Movie Contents」「Music Transfer」「VAIO Music Box」「VAIO Content Folder Setting/Watcher」等々、コントロールパネルの「プログラムと機能」で表示される、発行元が「Sony Corporation」となっている多くのソフトウエアをほぼ半日かけてアンインストールした。またネット上の先人達のアドバイスを読み、多少Vistaの設定変更等も行なった。

 その結果、VAIO type Pは購入時とはまったく違った「デキる」様相になった。このおかげで、同じ64GBのThinkPad X300よりも10GB以上空き容量が少なかったVAIO type Pにも少しは余裕が出てきた。

スッキリした英語キーボードは最高だ。アルプスのスティックポインターは、加速度のある強いプッシュで遠くに高速に移動しないところがThinkPadのトラックポイントと異なる。慣れが必要だ。またプレスセレクトの感度が良すぎて、筆者の場合は時々、誤動作することがあった

よく考えられたACアダプターやRGB/有線LANアダプター。機能的で且つ軽量だ

専用のオプションケースを購入すれば、収納も抜群だ



余分なプリインストールソフトが多すぎる!


  結果から言えば、ごく普通の超軽量モバイルPCとしてVAIO type Pを活用しようと考えているユーザーにとって、出荷時のVAIO type Pは不必要なプリインストールソフトがかなり多く上積みされている。

 ユーザーの要不要に関係なく、他事業部の社内開発ソフトウエアを、有料社内振替で、プリインストールするハードメーカーは多い。使うユーザーがいないとは思わないので、それはあながち悪いことではない。しかし、それらをまったく不要と感じ、「ただOSにVistaを採用しただけのシンプルなVAIO type P」を望むユーザーも少なくはないだろう。

 そういうユーザーにとって今のVAIO type Pは最悪だ。本来のtype Pのコンパクトさや快適さを、余分なプリインストールソフトが台無しにしている。せめて、普通のモバイルPCにとって不必要なソフトを確実・安全に一挙にアンインストールできるユーティリティなどを付けるべきだろう。

 筆者のVAIO type Pは延べ日数で3日ほどかけてやっと満足の行く超軽量モバイルPCに変身した。「快適な動作スピードは何にも勝るユーザーインターフェース」だと言うことを、エンジニアもマーケティングの人間も再認識すべきだろう。



今回の衝動買い

アイテム:VAIO type P VGN-P90NS
購入価格:約13万円

T教授

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。

 

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