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痛車&コンパニオン 2009春コレクション 第4回

痛ヴィッツの製作過程を紹介!

「feng」の痛車ができるまで! 大阪オートメッセでお披露目!

2009年02月11日 20時00分更新

文● 有馬桓次郎

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ベースの貼り付け

 まずはベースのバイナルから施工開始。

 よくボディ表面を水で濡らしたり、ステッカーを霧吹きで湿らせてから施工する方法が知られているが、谷さんの場合は水はいっさい使わずドライのまま。

貼る際にステッカーを湿らせてしまうと、温度が下がってフィルムが固くなってしまいます。特にこの時期は気温も低いですから、フィルムがもっと冷えてしまってバリバリに割れてしまうことがあるんです。水は気温の高い夏場に少しだけ使うくらいで、基本的に私はドライのまま施工しています

余分なフィルムで実演してもらった。これは良い例。つねに左手で貼っていない部分を支えながら、ボディラインに沿ってヘラを動かす

 驚いたのは、谷さんがドライヤーをいっさい使うことなく、指とゴムベラだけを駆使してシワ一つなくフィルムを貼り込んでいくこと。その手際もハンパじゃなく、ものすごいスピードでみるみるうちにフィルムが貼り込まれていく。

よくドライヤーの温風を当ててシワ取りをする方がいますが、ドライヤーを多用するとフィルムが伸びきってしまい、逆にシワの原因になったりフィルムの耐久性が落ちたりするんですね。ドライヤーはフィルムを伸ばしてシワ取りするために使うのではなく、やわらかくする為に少しだけ使うものなんです

指で押さえる場合も同じ。押さえる方向は左右に、そして少しずつ縦に貼り進めていくのだ

 では、手だけでシワ一つ作らず貼り込んでいくコツはなんだろうか?

一気に貼り込むんじゃなく、縦方向に少しずつ進めていくこと。それにクルマのボディラインと平行に指を動かすこと、ですね。斜めに押さえてしまうと、他の部分に歪みが生まれてシワになってしまいますから

 いうなれば布を織る機械のようなもの。もう一方の手でフィルムを浮かせつつ、指やヘラを真横に動かしてフィルムをボディに押さえていく。そうやって少しずつ縦方向に貼り込んでいくのだ。

これは悪い例。先に一部分を上下に押さえてしまったために、他のところに歪みが出てシワが生まれている

 フィルムを貼り終えると、ドアの開閉部やドアノブ周り、フェンダーとバンパーの継ぎ目などでカットしていくが、このカットにも谷さんはこだわりをみせる。

どちらがより上に浮いてるかをみるんです。例えばドアとフェンダーの間ならドアのほうが少しだけ浮いてますが、この場合は浮いてるほうを多く残すように切って巻き込みを作れば剥がれ難くなります。また低いほうも、斜めに歯を入れることで若干の巻き込みが生まれますが、こうすることで完成後の見栄えも向上しますよ

フェンダーとドアの境目で実演。これは悪い例。歯をフェンダーにそって垂直に切っている

こちらは良い例。フェンダーにそって斜めに歯を入れることで、フェンダー側に小さく、さらにドア側に大きく巻き込みが生まれる

上が悪い例。巻き込みが無く、ドア外板が見えてしまっている。このように、やり方次第で仕上がり具合に大きな差が出ることもある

 バイナルをすべて貼り終えると、いよいよメインのキャラフィルムの貼り込みにうつる。ここは順を追ってそのスゴ技を紹介しよう。

(次のページへ続く)

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