温度と消費電力
最後に温度と消費電力を見てみよう。温度は、AMD OverDriveユーティリティにて、消費電力はシステム全体の電力を測定するワットチェッカーを使って計測した。アイドル時はOS起動後、30分放置したときのもので、省電力機能(Cool'nQuiet)を有効にした状態。高負荷時は3DMark VantageのCPU TEST2を連続して5回実行し、もっとも高かった時の温度と消費電力を取得している。
X4 940BEの温度は、明らかにおかしいので無視するとして、X4 810、X3 720BEともに実用的な範囲に収まっているようだ。部屋の気温はおよそ14℃であることを考えると夏場は、+10℃くらいになるだろうが、リテールのCPUクーラーで十分冷却できると思われる。
消費電力は、クロックの一番高いX4 940BEがもっとも高いものの、大きな差はない。DDR2とDDR3を比較すると、わずかにDDR3の方が高くなるようだ。
買うならX3 720BE
X4 940BEの価値が微妙になった?
今回、とても不思議なのが、X4 940BEのSocket AM3版が発表されなかったことだ。ベンチマークではX4 810/DDR3をかろうじて上回るとはいえ、場合によっては逆転を許すという事態まで引き起こしている。
X4 810もDDR3マザーボードを使うことで、DDR2に比べて一定のパフォーマンスアップを果たしているが、ゲームにおいてはそれほど効果はない。逆に安価なX3 720BEでオーバークロックでもした方がコストパフォーマンスは高いだろう。冒頭に書いたように、各モデルの総合的な性能が一長一短という状況が生まれており、購入にあたってはどれを買うべきか、AMD党の皆さんは悩ましい選択をすることになる。
長くAthlon X2を使っているユーザーなら、とりあえず、Socket AM3のマザーボードにX3 720BEを組み合わせ、X4 940BE以上のCPUが登場した時点で乗り換える、というのがベストな選択かもしれない。
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