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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第42回

ねたミシュランの中の人が語る「金と更新と情報」

2009年02月13日 09時00分更新

文● 古田雄介

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サイト更新に必要なのは、酒と直感とダウンローダー

―― ねたミシュランを始める前から、かなりのホームページを作っていたそうですね。

ksn そうですね。高校時代に友達がホームページを作っていて、その影響でごく普通の日記サイトを始めたところからインターネットに触れだしたんですよ。

 でも、普通の日記サイトじゃ誰も見に来ないからすぐに飽きました。それで、当時流行っていたフォントいじり系のテキストサイトをやろうと思い立ち、自分がプレイしたゲームをテキストだけで面白おかしく紹介していましたね。思い出しても恥ずかしいんですけど「そこでヒロイン死んじゃうのかよ!」みたいな突っ込みをフォントサイズ7にしたりして(笑)

 ただ、それもネタが尽きてきたこともあって、まもなく飽きがきました。次に後追いしたのがニュースサイトになります。もう、ゲームの発売情報から政治ニュースまでぐちゃぐちゃに取り込んだ内容だったんですが、1日300~400のアクセスがありましたね。そこからHTMLでテーブルやフレームなどの余計なものを省いた、シンプルな体裁のニュースサイトは学生時代まで続きました。1日4000~5000アクセスはあったと思います。

 その合間に着メロを作ってお小遣い稼ぎしたり、最近では動画もたまにアップしたり……。2ちゃんまとめサイト以外は全部やったという感じですね。

ksn氏。2008年8月に会社を辞め、現在はフリーのライターとWEBクリエーターとして活動している。タイトルのクオリティについては「秀逸とかよく言われるんですけど、自分ではそんなに考えていないですよ。ただ、やったことないゲームの画像は、俺に前知識がないからタイトルが浮かばない。結果、そういうネタは省くということがありますね」と語る

―― そこから画像サイトに行き着いたのはなぜですか?

ksn これも後追いなんですけど、2003年頃は「●●ミシュラン」というサイトやコーナーが流行っていたんですよ。FLASH作品を集めたかーずさんの「ふらミシュラン」(2006年に更新停止)などが有名ですね。この流れに便乗してやろうと、当時やっていたニュースサイトの1コーナーとして「ねたミシュラン」を始めたわけです。

 もともと、ネットを始めた頃から面白い画像は好きで集めていたんですよ。その後就職したら、ニュースサイトを更新する時間がとれなくなって、気づいたら独立したサイトになっていたという感じです。

―― 画像のほうが更新の手間が少ないんですか?

ksn ニュース記事は読んだあとに情報の真偽を確認したりと、色々手間がかかるんですよ。でも、画像なら一発で面白いか否かが分かるんです。1回のチェックで見るのは7000~8000点くらいで、2日か3日分のストックになる程度のネタが得られます。

 そうやってネットを巡回するのは3時間程度ですが、画像自体は他の作業をしながらでも見られるので負担は少ないですね。家で焼酎片手に「ははっ、ワロス」とかやっているわけです(笑)

 集めた画像は3秒か5秒間隔のスライドビューで垂れ流しです。酒飲みながら眺めていて、見た瞬間にタイトルがびびっと思いつくものを採用しています。もう、本当に何も考えていないんですよ。それで、ネタがたまったらリンクを張って、記事をアップすると。だいたい5分か10分か、それくらいのもんです

―― 面白画像を集めるコツは何でしょう?

ksn コツというか「Irvine*1ひとつです。あれでどうにかなりますよ。Irvineを使ってアップローダーから画像をまとめてダウンロードするんです。サーバーに負担をかけすぎないようにスレッド数やダウンロード時間は決めてやっていますね。あとは画像掲示板をちょくちょく手動で見たりしています。ニコニコ動画も昔はよく見ていましたね。

*1 Irvine: Wolfy氏が作成した定番ダウンローダー。指定したURLにある画像データなどを一括でダウンロードできる

 (次のページ:ウェブの情報だけで民主党を叩く前にすべきことがあるはずだ)

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