待望の新機能スクリプトトリガ
前バージョンまでのFileMakerはいわば「止まった」ソフトで、自動処理のためのスクリプトを起動させるにはそのためのボタンを押したりメニューを選んだりといった操作が必要だった。
今回のアップデートでは、新たに搭載された「スクリプトトリガ」により、画面の切り替えなどでスクリプトを起動させることが可能になった。これはFileMakerユーザー待望の機能で、キー操作やデータ変更を行った瞬間にスクリプトを稼働させるなど、より柔軟に業務を自動化できるものだ。
データベースを開発するプログラマーは仕事が増えることになるが、開発されたデータベースを利用するという観点からは、同じ処理をより少ない操作で実現できるようになったと言える。例えば、不適切な文字が入力されたらその瞬間に有無を言わさず消去するようなデータ入力値を制限する動作も設定できる。
このように、データが入力された瞬間に自動処理を実行するような利用のほかにも、データ入力をしながらその内容を検証するという使い方も可能。例えば、郵便番号検索で1文字入力されるごとにフィルター機能を実行し、候補を絞り込んでいくといったインクリメンタルサーチが実現できる。キーストロークを検知して動作を分岐させることもでき、これを活用すればゲームを作成することも可能だ。
さて、この一見難しそうなスクリプトトリガだが、設定自体は「イベント」というトリガーの発動する動作条件と、実行するスクリプトを選ぶだけとごく簡単だ。
スクリプトトリガは、レイアウトまたは個々のオブジェクトに設定できる。レイアウトの場合は、そのレイアウトが表示されたときやキー操作が行われたときなど、オブジェクトならば該当するオブジェクトにカーソルが入ったりデータが入力/変更されたときにトリガーが発動するよう設定できる。
いずれも、スクリプトが起動する条件と、その実行するスクリプトを指定するだけなので設定自体は難しいものではない。ただし、利用するにはその動作の詳細やタイミング、優先順位などについての知識が必要となる。ヘルプにも詳しい解説があるので、どんなスクリプトが実行できるのかを把握するところから始めるといい。