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新CCDで優れた高画質を実現 FinePix F200EXR

2009年02月04日 21時28分更新

文● 周防克弥

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FinePix F200EXR
FinePix F200EXR

 富士フイルムが4日発表したコンパクトデジタルカメラ「FinePix F200EXR」(以下F200)は、2008年9月に同社が発表した新型撮像素子「スーパーCCDハニカムEXR」を搭載する最初のカメラだ。価格はオープンプライスで、予想実売価格は4万3000円前後。2月21日から発売の予定だ。

 評価機を元に、その画質を検証してみたい。


画質の要「スーパーCCDハニカムEXR」

スーパーCCDハニカムEXR
スーパーCCDハニカムEXR

 F200の目玉は、スーパーCCDハニカムEXRの搭載だ。富士フイルムの撮像素子「スーパーCCDハニカム」を進化させた撮像素子で、「ノイズの少ない高感度」「豊かな階調を実現するワイドダイナミックレンジ」「高解像度」などの高画質撮影を実現できると言う。

 従来型との大きな違いとして、まずカラーフィルターの配列パターンが変わっている。ハニカム構造の配列は変わりないが、斜めに同色の画素が隣り合っている。

従来型とEXRのカラーフィルター配列の違い 従来型(左)とEXRのカラーフィルター配列の違い(富士フイルム資料より引用。以下同)

 F200では、スーパーCCDハニカムEXRの3つの特徴を、「高解像度優先」「高感度低ノイズ優先」「ダイナミックレンジ優先」の3種類の動作モード(EXRモード)として実現している。

 撮像素子の感度を上げるために、隣接する画素をひとつの画素として扱う手法(画素混合)は、従来から使われている。しかし従来のカラーフィルターの配列では、同じ色の画素同士の距離が遠いうえに、その間に別の色の画素が入ってしまうため、偽色が発生しやすかった(上図左の例では、赤と赤の間には青のフィルターがある)。

 その点、スーパーCCDハニカムEXRでは、同じ色の画素が斜めに隣り合っているので、これらを1画素として扱い感度を2倍相当に上げても、偽色の少ない絵を作り出せるようになった。「高感度低ノイズ優先」モードはこの画素混合を使っている。

EXRでの画素混合のイメージ EXRでの画素混合のイメージ。同じ色が斜めに隣り合っている利点が生きる

 また斜めに隣接した画素ごとに、露光時間を変えた2つの感度を持たせる機能も持つ。例えば上の画素は高感度に、下の画素は低感度になるよう露光時間を調節。1度の撮影で高感度と低感度の2つの画像を作り、これを適切に合成して大幅にダイナミックレンジを拡大した写真ができる。これが「ダイナミックレンジ優先」モードの仕組みだ。一方、全画素をフルに使って撮影するのが「高解像度優先」モードとなる。

 これら3種類のモードは手動で選択するだけでなく、カメラに自動認識させられる(EXRオート)。EXRオートでは、カメラが人物/風景/夜景/マクロ/逆光&人物/夜景&人物の6シーンを認識して感度やホワイトバランス等を自動設定。さらに3つの動作モードから、適切なものを自動で選ぶ。

 なお、「高感度低ノイズ優先」と「ダイナミックレンジ優先」時には、1200万画素相当での記録ができず、600万画素相当もしくは300万画素相当での記録になる。これはCCDの特性上、致し方ない。

 もっとも、ウェブページでの使用やA4~キャビネサイズ程度での印刷なら、解像度は600万画素程度もあれば実用十分だ。さらに大きく引き延ばして印刷する用途でなければ、解像度面が問題になることはないだろう。28mm相当からの5倍ズームや連写機能(最短で毎秒約5コマ)を考慮すると、スナップ用途のカメラとしては、かなり高いレベルの性能を持っていると言える。


外観はF100を踏襲

 F200は前機種「FinePix F100fd」の正当進化版と言える製品だ。前方から見た感じでは、大きな変化はなくデザインを踏襲している。背面側は液晶ディスプレーのサイズが大きくなった(2.7型から3型に)ほか、モードダイアルが付くなど、操作系が若干変わっている。

本体前面 本体背面
本体前面。見た目は前機種F100fdと変わらない本体背面。モードダイアルが装備され、撮影モードが何になっているか分かりやすくなった

 ほかのボタン類も、アイコンがボタンにプリントされ判別しやすくなった。特にF100でズームボタンのように鎮座していたフォトモードボタンや顔キレイナビボタンが、間違えないよう分かりやすくなったのはうれしい。反応も早く、操作はキビキビしている。塗装が従来の半つや消し風から、光沢ある塗料の厚みを感じる仕上げになり、高級感が多少なりとも増している。

本体正面 レンズなし 本体正面 レンズあり
大きさや厚み、シャッターボタンとズームレバーの形状なども、従来機F100と同等

 最大記録解像度は約1200万画素。ISO感度は100~12800まで設定可能だ。ただし、ISO 6400時には記録解像度は600万画素相当に、ISO 12800時は300万画素相当に下がる。感度オートの設定では、最大感度を400~3200まで1段階刻みで設定できる。状況に応じて「感度はここまで」と決めたいときに便利だ。

SDメモリーカードとxDピクチャーカードのデュアルスロット 記録メディアはF100同様に、SDメモリーカードとxDピクチャーカードのデュアルスロットになっている

 F200の撮影モードはEXRモードのほかに、プログラムオート、マニュアル、動画、15のシーンポジション、高感度2枚撮りなどが用意されている。プログラムオート時には、「絞り優先オート」での撮影も可能になっている。富士フイルムのコンパクトデジカメとしては珍しく、マニュアルモードが絞りとシャッターを調節できる本当のマニュアルになっている。

 そのほかにも、富士フイルム製コンパクトデジカメでは初搭載となる「フィルムシミュレーション」機能やダイナミックモードが搭載されている。フィルムシミュレーションでは「スタンダード」(PROVIA)「ビビッド」(Velvia)「ソフト」(ASTIA)などが選べる。同社の銀塩フィルムの銘柄を採用しているので、銀塩フィルムに慣れ親しんだ人にはイメージを掴みやすい。

お詫びと訂正:掲載当初、「富士フイルム製コンパクトデジカメではおなじみの」と記載していましたが、コンパクトデジカメでは初搭載でした。ここに訂正するとともに、お詫びいたします。(2009年2月5日)

 一般的な撮影ならば、EXRオートにしておけばシーンごとに最適な絵が撮れる。ただし、EXRオート時にはISO感度はオートのままになるし、フィルムシミュレーション機能もスタンダード/モノクロ/セピアしか選べない。絵作りを楽しみたいときには、必要に応じて高感度低ノイズ優先やダイナミックレンジ優先へ手動で設定したり、マニュアルモードへの切り替えが必要になる。

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