ブックとシートの使い分けで広がるExcel“深”世界 第3回

仕事に役立つ! 複数シートの検索＆合算技――応用編 Part.2

クリックすると今日の日付に飛ぶ
「週間スケジュール帳」を作る

　シート1枚で1週間分記入できるスケジュール表を作ります。

　クリックひとつで今週のシートが開き、今日の欄が選ばれるスグれものです。

完成形――こんなExcelシートを作ります

「表紙」シートの「↓ジャンプ」をマウスで左クリック。すると当日の予定欄にジャンプするExcelシートを作ります

　特定シートのセルにジャンプするには、「HYPERLINK」関数を使います。ただし、この関数はジャンプ先として特定のシート名を指定しなければなりません。

　しかし、各シートの「←前週」「次週→」ボタンに、いちいち前シートや次シートのシート名を直接指定するのはあまりに面倒です。

　そこで、右ページと同様にマクロ関数を活用して「次シート」などを指定できるようにします。

　なお、リンクを設定したセルを選択するには、セル上でマウスボタンを長押しします。するとポインタが指の形から十字形に変わり、セルを選択できるようになります。

予定表シートの作り方

「シート名一覧」と「シート番号」を定義シートの「↓ジャンプ」をマウスで左クリック

　前ページの「名前の定義で式を設定する」のようにして、(1)「シート名一覧」と(2)「シート番号」を定義し、(3)［OK］で完了です。

1シート目を作成。最初は表紙に戻るリンクと、シート「2」に進むリンクを設定する。ただし、まだ2シート目がないため現在はエラー表示になっている

　「1」シートを作り、(4) B5セルに最初の日付を入力します。

　(5) B6セルに「＝B5＋1」と入れて(6) 下方向にコピーし、1週間分の日付を表示します。

　(7) B2セルには「＝HYPERLINK("#表紙!B4","←表紙")」、(8) D2セルには「＝HYPERLINK(INDEX(シート名一覧,シート番号＋1)＆”!C5",”次週→”)」と入力します（すべて半角で）。

　(9) 最後にシート見出しを［Ctrl］キーを押しながら右へドラッグします。

D2セルに入った式は？

　「INDEX(シート名一覧,シート番号＋1)」とすると、数式を入力したシートの次のシート名を取得できます。

　このシート名に「!C5」を付け足して、各シートのC5セルを指定して、HYPERLINK関数でジャンプできるようにする。引数「別名」には「次週→」と指定します。

関数名

検索/行列関数

書式

=HYPERLINK(リンク先[,別名])

予定を入力したい日付までシートを複製していく

　シート「1」を複製し、(10) 見出しを「2」に変更します。

　(11) B5セルに「＝INDIRECT(INDEX(シート名一覧,シート番号-1)＆”!B5”)＋7」と入力（すべて半角で）して、前シートの7日後を表示します。

　(12) B2セルには「＝HYPERLINK(INDEX(シート名一覧,シート番号-1)＆”!C5”,”←前週”)」、(13) C2セルには「＝HYPERLINK(”#表紙!B4”,”↑表紙”)」と入力（すべて半角で）。

　(14)「2」シートを複製し、同様にシート名を変更します。

「表紙シート」を作る手順

表紙シートを作る。D8セルには週数を表示し、D9セルをクリックすると今日の日付があるシートにジャンプする

　「表紙」シートを作ります。

　(15) D2セルに「＝HYPERLINK(INDEX(シート名一覧,シート番号＋1)＆”!C5”,”次週→”)」と入力（すべて半角で）。(16) B8セルに「＝TODAY()」と入力します。

　(17) D8セルには「＝ROUNDUP((B8-'1'!B5＋1)/7,0)」と入力し、今日の日付が何週目になるのか求めます。

　(18) B9セルに「＝HYPERLINK(”#”＆D8＆”!C”＆WEEKDAY(B8,2)＋4,”↓ジャンプ”)」と入力（すべて半角で）して、該当セルにジャンプできるようにします。

　この式では、「リンク先」を週番号と同じ番号のシートの、C列の、WEEKDAY関数で求めた曜日番号に4足した行のセルと指定しています。引数「別名」には「ジャンプ」と指定しました。

表紙シートの作成に使った関数は？

関数名

数学/三角関数

書式

=ROUNDUP(数値,桁数)

　「数値」を指定した「桁数」で切り上げる関数。

　「桁数」は、小数の位を基準にしていて、たとえば「2」と指定すると、小数第2位に切り上げることができる。

　「0」を指定すると、小数点以下を切り上げて整数に丸めることができる。

関数名

日付/時刻関数

書式

=WEEKDAY(シリアル値［,種類］)

　指定した日付の「曜日番号」を求める関数。

　求められる曜日番号は「種類」に指定した引数によって異なり、「1」または省略で「日～土の順に1～7の番号」、「2」で「月～日の順に1～7の番号」、「3」で「月～日の順に0～6の番号」となる。

知ッ得 6――
ハイパーリンクの関数をもっと便利に使うには？

　HYPERLINK関数でジャンプ先にセルを指定する場合、通常はブック名から指定する。

　しかしB9セルのように「#シート名!セル番地」とするとブック名を省略できる。

　D2セル、B5セルは「GET.WORKBOOK」関数の結果にブック名も含まれている。

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本記事は「アスキードットPC 2006年4月号」の特集記事を元に、編集・再構成したものです。

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