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これが大学?議論呼んだSFCの新サイト (2/2)

2009年01月16日 08時00分更新

文●小橋川誠己/企画報道編集部

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動く! たためる! ウィジェット風メニュー

 もう1つ特徴的なのが、「ウィジェット」ライクなグローバルメニューだ。SFCの新サイトはフルFlashサイトであり、ページによってはレイアウトがガラッと変わる。このため、グローバルナビゲーションを常に一定の位置に配置する通常のナビゲーションでは邪魔になる場合もある。

 そこで、ウィジェットのようなデザインのフローティング式メニューを採用している。最小化した状態では「入試情報」「ABOUT SFC」といった項目を示すアイコンだけのコンパクトなメニューになり、クリックするとサブメニューが展開する。メニューの位置はいつでも自由に動かしたり、折りたたんだりできるので邪魔にならない。

折りたたんだり移動もできるウィジェット風のグローバルメニュー



iGoogle風? 異なるUIの在学生/教職員向けページ

 教員マップのような「プロモーションサイト」としての仕掛けは、一方で在学生や教職員といった頻繁にサイトを訪れるユーザーにとってはうっとうしいこともある。そこで、ページ右上に「在学生の方へ」「教職員の方へ」というリンクを設け、それぞれ通常ページとはまったく違ったUIを提供している。

 たとえば在学生向けのページの場合、学生向けのお知らせや時間割、シラバスへのリンクといった、必要な項目が分かりやすく整理されている。これらのページは、ドラッグ&ドロップで位置を入れ替えたり、折りたたんだりできる。まるでiGoogleのように、ちょっとしたパーソナライズができる。また、学部ごとに個別のURLが設定されているので、毎回トップからリンクをたどる必要はなく、自分の必要なページをブックマークしておけば直接アクセスできる。

項目の入れ替えや件数も変更できる在学生向けのメニュー



 この新サイト、大学が運営するWebサイトとしてはなかなか実験的で、UIデザインやビジュアル表現という点では非常に興味深いサイトだが、実は公開直後、「ロード時間が長い」「FlashやJavaScriptに依存していて代替ページが用意されていない」「アクセシビリティに対する配慮がない」といったさまざまな問題が指摘され、逆の意味で注目を集めてしまった(指摘を受けてSFC側は急きょ旧サイトを「HTML版」として復活させたり、一部改善も施している)。もちろん、筆者もそうした指摘にはまったく同感だ。

 だが、「Flashを使ったプロモーションサイト」として個別のデザイン要素やFlashの作りこみを見たときには、制作者にとって参考になるポイントも多く含まれている。問題点は十分認識した上で、参考になる部分はうまく取り込み、新しいデザインのヒントにしたい。

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