このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

ブックとシートの使い分けで広がるExcel“深”世界 第3回

仕事に便利! 複数シートの効果的な使い方――応用編

2009年01月19日 08時00分更新

文● 構成● 早坂清志、アスキードットPC編集部 イラスト●三澤亞希子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ここからは複数シート使い分けの実践的な活用例を見ていく。シートをまたいだコピーや、集計して複数シートをまとめる方法など、必要なテクニックもマスターしよう。


別々のシートにある同じ形の表同士を合計する

 まず「東京」「大阪」「名古屋」という支店ごとにシートを作成し、それらを合算する例を見てみましょう。どの支店も取り扱い商品が同じで、どの表も同じ形のものとします。

完成形――こんなExcelシートを作ります

東京シート

東京シート

大阪シート

大阪シート

名古屋シート

名古屋シート

全社シート

3枚のシートにある同じ形の表を1枚に合算した「全社シート」を作る

 まずシートの作成ですが、作りたい表が同じ形なので、1つのシートを作ったら、残りのシートには表をコピーしてしまいましょう。この作業は、シートを「作業グループ」にしておいて「フィル」機能を使うと手早くできます。

 各支店ごとのシートと全社合計用のシートが用意できたら、支店シートどうしを串刺し集計しましょう。各シートの表が同じ形なので、たとえば「家電・照明」の「4月」の売上は、すべてC5セルとなります。

 このような場合、“「東京」~「名古屋」のC5セル”というようにセルをまたがって参照することによって、串刺し集計を行なうことができます。


表を複数シートにまとめて貼り付ける

複数シートをまとめて選択

複数シートをまとめて選択。するとExcelのファイル名の後ろに[作業グループ]と表示される

 先頭シートに表を作っておく。

 (1) 先頭シートを表示し、(2) をクリックしてシート全体を選択。いちばん最後のシート見出しを(3)[Shift]キー+クリックします。

 複数シートが選択され、タイトルバーに「作業グループ」と表示されます。

オプション選択画面

作業ファイルにコピーする際のオプション選択画面

 メニューバーから[編集]→[フィル]→[作業グループへコピー]を選んで左の画面を出します。

 (4)[すべて]を選んで(5)[OK]を押します。

全社のシートを作る手順

大阪、名古屋、全社のシートを作る手順

 (6) をクリックして2枚目のシートを表示。表がコピーされています。

 シート名と、(7) B2セルを「大阪」に変えます。

 同様に、(8)、(9) のシート名とB2セルも変更します。

 各シートにデータを入力して完成。さらにここでは「全社」シートだけセルの色を変えてあります。


串刺し集計をする

全社シートに式を入力

全社シートに式を入力する手順

 (1)「全社」シートを表示して、(2) C5セルを選択し、ツールバーの[Σ](オートサム)ボタンをクリック。「=SUM()」と入力されます。

東京の合算したいセルを選択

まず東京の合算したいセルを選択

 (3)「東京]をクリックして先頭シートを表示し、(4) C5セルをクリック。この時点で式は「=SUM(東京!C5)」となります。

Shiftキー+クリックで複数シートを選択

続けて、Shiftキー+クリックで複数シートを選択

 続けて、(5)[Shift]キーを押しながら、シート見出し[名古屋]をクリック。式は「=SUM('東京:名古屋'!C5)」となります。[Enter]キーで入力完了です。

オートフィルで式をコピー

オートフィルで式をコピーすれば完成

 (6)(7) のようにオートフィルして、C5:E7の範囲に式だけをコピーすれば完成します。


知ッ得 1
複数シートにまたがる参照=「3-D参照」

 上記のように串刺し集計の操作をすると、関数式の引数に「'東京:名古屋'!C5」と入力されます('はシート名が文字列の時に付く記号)。

 これを「3-D参照」と呼ぶ。これで「東京」~「名古屋」シートのC5セルという意味になり、連続シートの集計ができます。


 (次ページ、「別々のシートにある形が異なる表を合算する」に続く)

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ