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腐らない、はみ出さない、紙が曲がらない、進化が続いた糊文化

最強の糊、それがテープ糊

2009年01月15日 08時00分更新

文● 行正和義

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ドットライナーの秘密はドット状の糊成分

ドット状

テープ全面に糊が貼られている製品の場合、ヘッド部分を紙から持ち上げるときに粘りによって、最後(右側)がきれいに仕上がらないことがある。ドットライナーではドット単位で剥がれるため、きれいに仕上がっているのがわかる

ドットライナー キュート

新製品の「ドットライナー キュート」では、なんとドットの形状がハート型

 さて、各社から出ているテープ糊を使い比べてみると、同じような仕組みに見えて、結構な差があった。一部の製品ではテープに均一に糊が塗布されている一方、コクヨの「ドットライナー」ではテープ上の糊がその名のとおりドット状に配列されている。

 後者の製品は糊を節約するためにドット状になっているわけでない。前者のタイプではテープ上にある糊の粘着性から、紙に糊を転写した後でヘッドを離す際のキレがどうしても悪く、最後の部分が均一になりにくい。これに対してドットライナーでは転写が常にドット単位で行われるため、ヘッドの紙離れがスムーズで転写される糊が一定となる。実際わずかな差とはいえドットライナーの使い勝手が優れているように感じた。

 さらに本記事の冒頭で掲載している「ドットライナー ホールド」はステープラのような構造を採用している。これは用紙の端の糊付けに限定されるが、紙を挟んで素早くスライドするだけで必要な部分に糊が付く。大量の封筒発送作業をこなさないといけないオフィスワーカーにお勧めである。

詰め替え用

下が詰め替え用のパーツ。本体が約320円。詰め替え用が約220円

 ただテープ糊はコストパフォーマンス面で若干の不利を抱える。各社とも入れ替えカートリッジを用いてランニングコストを下げているものの、カートリッジ側に歯車機構を含むものの場合、流用部分が少なく、実際に通常の製品と価格差があまり大きくないのが惜しい。

 均一な糊によるきれいに仕上がりなど、テープ糊は完成度が非常に高い。もちろん液状糊やスティック糊のほうがランニングコストは低いのは確かだが、オフィスでの利用用途を考えるとパーフェクトな存在である。ディスペンサーの工夫により、初期のものに比べてテープもたるみにくくなっているなど、細かな進化も進んでいる。今後のさらなる変化に期待したい。

テープ糊とはかなり方向が違うが、液状糊をポールペンに封入したアクアピット(トンボ鉛筆)もなかなか興味深い製品。使い勝手はボールペンと変わらない。1回で塗布する面積が細くて小さいものには便利

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