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TREND 実践! 今日からはじめるLPO ― 第1回

LPOって何? 始める前に読む基礎知識

2009年01月15日 08時00分更新

sato165(佐藤裕子)

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直帰率改善に効くLPO

 ユーザーにとってのLPOのメリットが「目的の情報が探しやすくなること」だとすると、Webサイトの運営者が得られる直接的な効果は「直帰率の改善」です。直帰率とはランディングページからすぐに帰ってしまったユーザーの比率のことで、一般的な商業サイトでは50%以下がベターだと言われます。アクセス解析をしていると、「検索エンジンから訪問したユーザーがページを開いてすぐに帰ってしまっている」「ランディングページ以外のページビューが伸びない」といった悩みはよくあると思います。

 仮に直帰率が70%以上だったとすると、100人のうち70人がすぐ帰っている……そう考えるともったいないですよね。LPOなら検索エンジン経由のユーザーに、こちら(サイト運営者)が見てほしい情報を“提案”できます。その結果、ユーザーのサイト滞在時間を伸ばし、直帰率の改善につなげられるのです。

 では、どのようなケースで特にLPOが有効なのか、少し考えてみましょう。以下は筆者が運営する個人サイトのアクセス解析結果です。

LPOの例
筆者が運営する個人サイトのアクセス解析結果。ちなみに著者のサイトではLPO導入後、平均70%台だった直帰率が60%台に改善した

 コンテンツ(ページ)によって、直帰率に大きな違いがあることが分かります。筆者のサイトでは「eclipse」「Firefox」に関するコンテンツが豊富にあり、これらのページでは直帰率が50%台になっています。反対に直帰率が高いのは、あまり力を入れていないキーワードやコンテンツです。直帰率の低いページには関連するコンテンツへの誘導が多く含まれており、そのキーワードに興味を持って訪れたユーザーが他のページも併せて見ているためです。

 このような状態からサイトの直帰率を下げるには、以下の2つの方法があります。

  1. 直帰するユーザーにもっと多くのページを見てもらう→直帰率が高い場合
  2. 直帰しないユーザーをもっと集める→直帰率が低い場合

 1.は、訪問ユーザーの大半が直帰している場合です。このケースでは、訪問ユーザーがもう1ページ、多くコンテンツを見てくれれば直帰率は格段に下がるはずです。ただ、直帰率の高いページは関連するコンテンツもそう多くないため、SEOを実施してもランディングページのページビューアップにしかつながらず、直帰率の改善には効果がありません。

 こんなときこそLPOの出番です。検索から訪れるユーザーは見たいコンテンツがはっきりとしています。たとえば「Eee PC」というキーワードで訪れているユーザーには「Eee PC関連コンテンツはこちら」といったニーズに合った入り口(リンク)を明示してあげればよいのです。実際のページの構成と検索キーワードが一致していない場合でも、LPOならユーザーのニーズに合った内容にページを書き換え、関連するコンテンツへの入り口を作れます。

 これに対して2.は、LPOよりも重要キーワードによるSEOを実施する方が効果を得られます。もともと直帰率が低いページに関しては、ユーザーの興味を引く記事を提供したり、キーワードに関するコンテンツが充実していると思われるので、SEO的な工夫をすれば現状以上の状態にするのは難しくはないでしょう。

 上記の例から、SEOとLPOの違い、使い分け方が分かると思います。簡単に言うと、SEO・SEMは検索エンジンからサイトへ集客するための手段、LPOは集客したユーザーをサイトの目的に向かって誘導する手段と言えます。どちらも検索エンジン向けの対策として合わせて実施すると、より互いの効果を高められるでしょう。


どんなサイトが効果的? LPO導入が向くサイト、向かないサイト

 どんなWebサイトに導入してもある程度の効果が見込めるLPOですが、特にオススメしたいのはやはりECや資料請求などを目的とした商用サイトへの導入です。LPOは、冒頭で説明したとおり、誘導したいページへ向かわせる手法であり、サイト運営者がユーザーにコンテンツを提案できます。そのサイトの本来の目的とするアクション、商品の購入やお問い合わせ、見積もりなどの申込数を増やすのにも有効です。

 また、不動産検索やグルメサイトなどの情報系サイトでも、ランディングページに検索キーワードを含んだ物件や店舗のリストを表示するなどの工夫で、より使いやすいサイトになります。

 反対にあまりLPOに向いていないのが、商品やコンテンツの数が少なく、企業名や特定のキーワードでしか検索されないカタログサイトです。こうしたサイトの場合は、LPOよりもSEOに力を入れた方がよいケースもあります。自分の運営するサイトがどうかあてはめて、より効果的な方法に比重を置くとよいでしょう。

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