3大キャリアが採用する端末の秘密は? Touch Pro
特別レポート 文●山根康宏
NTTドコモとソフトバンクの冬モデルに登場し、auからも2009年に発売されるなど、日本のキャリアから大人気のスマートフォンがHTCの「Touch Pro」だ。国内3大キャリアが採用する理由はどこにあるのか。香港在住の携帯電話研究家 山根康宏氏にレポートをお願いした。
高級感のあるデザイン
HTCのTouch Proはタッチパネルディスプレーとスライド式のフルキーボードを備えたWindows Mobileスマートフォンである。機能だけではなくデザインや質感も重視されており、HTCのフラッグシップモデルに相応しい製品に仕上げられている。
Touch Proの外観は黒一色で背面は独特のダイヤモンドカットデザインが施されている。この形状はフルキーボードを備えていないストレートモデル「Touch Diamond」を踏襲。いわば、Touch Diamondにスライドキーボードを備えた製品がTouch Proとなる。本体サイズも幅51×厚さ102mmと両者は同等。ただし、Touch Proの厚さ18.1mmで、キーボードがあるぶんTouch Diamondより6.7mm 厚い。なお、両者の差はフルキーボードの有無だけではなく、Touch Diamondが光沢のある表面仕上げなのに対し、Touch Proはマットブラックとより落ち着いた外観になっている。
タッチパネルにスライドキーボードを備えた端末は、日本でもソフトバンク「X02NK」やイー・モバイル「S11HT」が発売されている。これらと比較するとTouchProはサイズがひと回り小さくなっただけではなく、同じメーカーの同系のスマートフォンとは思えないスタイリッシュなデザインの外観になっている。機能も、VGA 解像度の高画質ディスプレー、HSDPA 7.2Mpbs対応など大幅にアップ(実際の通信速度はキャリアによって異なる)。他社のスマートフォンと比較しても、現時点では最高クラスに位置するハイスペック端末である。
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