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あなたに使いやすい機種、教えます

仕事で使えるスマートフォン(後編)

2009年01月09日 19時53分更新

文● 遠藤哲・山根康宏

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1台でさまざまな環境に対応するならWILLCOM D4

 ウィルコムは通信会社なので、PCを製造または販売するビジネスを行なってきたわけではない。しかしながら、スマートフォンというカテゴリの製品を取り扱う中で、インテル、マイクロソフト、シャープと共同で製品開発を進めてきた経緯がある。

 WILLCOM D4は、本体サイズが幅188×厚さ25.9×高さ84mmのボディに5インチワイドSVGA(1024×600ドット)のディスプレーを搭載し、ディスプレーの両脇にはオレンジ色のドットで表示されたタッチ式のポインティングデバイス(マウスの代わり)が配置されている

WILLCOM D4

WILLCOM D4

 本体を横スライドさせるとQWERTYキーボードが現われ、文字入力ができる。スライドしたディスプレーを起こすこともできるので、テーブルに置いて本体を持たずに、デスクトップスタイルで利用することも可能だ。

 CPUは、インテルの最新技術を採用した小型PC 向けIntel Centrino Atomを搭載し、メインメモリは1GB、ハードディスクは40GBを搭載する。

 アプリケーションにはMicrosoft Office Personal 2007 with Microsoft Office PowerPoint 2007を搭載しており、プレゼンテーションなどビジネス用途でも十分活用できる。Office 2007 非搭載のモデル「WILLCOM D4 Ver.L」も用意されていて、こちらは大容量バッテリーパックが標準搭載されている。

 通信機能は無線LAN(IEEE802.11b/g)、PHS、Bluetoothが搭載されていて、別売のクレードルを使えば有線のLANに接続することも可能だ。電話をかける場合はイヤホンマイクを使って本体から発着信するほか、別売のBluetoothハンドセットで通常の電話のように利用することもできる。さらにWILLCOM D4はワンセグチューナーも搭載しているのでテレビ放送も見ることができる。

WILLCOM D4とBluetoothのハンドセット

WILLCOM D4とBluetoothのハンドセット

 現在、電話は携帯電話、メールやインターネットアクセスはノートPCを使い、通信に必要なデータ通信カードを用意し、さらにUSBタイプのワンセグチューナーを接続してテレビ放送を視聴するというように、必要とする機能をバラバラに購入して利用しているユーザーもいるだろう。しかしWILLCOM D4ならば、上記のさまざまなモバイルシーンに1台で対応できる。

WILLCOM D4 の陰に次世代PHSあり!?

 「MapFan」という地図サービスで知られるインクリメントPが、この冬からカーナビアプリ「MapFan Navi(i マップファン・ナビィ」をWILLCOM D4の公式サービスとして提供することが発表された。

 これまでウィルコムが提供している通信サービスはPHS技術を基盤としたもので、移動しながらの通信はせいぜい歩行速度が限界といわれてきた。このPHSの弱点は次世代PHS 技術によって解消される予定で、その登場は(これは筆者の勝手な思い込みだが)2009 年度末頃だろうと思っていた。

 それがこの冬カーナビソフトの公式サービスとして提供されるのだ。これには本当に驚いた。

 次世代PHS 技術では、データ通信速度も上り下りとも29.2Mbpsと、3G携帯に勝るとも劣らない速度の通信ができる。3GのHSDPAが下り14.4Mbpsなので、ほぼ2倍の高速通信が実現されるのである。

 ひょっとしたらWILLCOM D4という機種は、次世代PHS技術による3G携帯陣営への巻き返しの狼煙となるのかもしれない。

(次ページへ続く)

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