教えて! IT活用委員会
第4回
VPN+SaaSで実現する次世代型IT活用術
2009年01月10日 00時00分更新
文● ASCII.jp編集部
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| 自社サーバ運用とSaaS/ASP利用の違い。今後はセキュリティの観点から、VPNとSaaSの組み合わせが広がるものと思われる |
ASP/SaaSの台頭で企業コンピューティングが変わる
業務で利用するアプリケーションをネットワーク上でサービスとして提供する「ASP(Application Service Provider)」や「SaaS(Software as a Service)」の利用が急速に広まっている。その背景にあるのが、「Webアプリケーション」の普及、そしてネットワークの高速化だ。
Webアプリケーションとは、Web技術を利用したアプリケーションを指す。一般的には、Webサーバ上でプログラムが実行され、ユーザーはWebブラウザを利用してデータを入力したり、プログラムの実行結果を閲覧する。
クライアントPCにインストールして利用するデスクトップアプリケーションと比べ、Webアプリケーションには「Webブラウザが動作していれば利用することが可能で、クライアントPCの細かな環境の違いを意識する必要がない」、「新機能の追加やバグの修正を行いたい場合、サーバ上のプログラムにのみ変更すればよく、デスクトップアプリケーションのようにクライアントPCごとに作業を行う必要がない」といったメリットがある。
以前はユーザー側の使い勝手の面でデスクトップアプリケーションに分があったが、最近では「AJAX(Asynchronous JavaScript+XML)」を取り入れることで操作性や表現力を向上させるなど、デスクトップアプリケーションに近い操作性を実現したWebアプリケーションも増えている。
このWebアプリケーションは、すでに幅広く浸透している。個人で言えばWebブラウザで利用するWebメールや、Web上でコミュニケーションを行うSNSなどが身近な例だろう。企業内においても、メンテナンス性の高さなどから業務アプリケーションなどでWebアプリケーションの形態が一般的になりつつある。
さらにこのWebアプリケーションの普及を支えているのが、ネットワークの高速化である。WebサーバとWebブラウザの間で大量の通信が発生するWebアプリケーションでは、ネットワークの速度が使い勝手を大きく左右するファクターとなる。近年、LANはもちろんインターネット接続回線も高速化されたことにより、ストレスを感じずにWebアプリケーションを利用できる環境が整ったわけだ。
ユーザーサイドから見たSaaS/ASPのメリット
こうした環境の変化により、アプリケーションをパッケージとして販売するのではなく、サービスとしてネットワーク経由でユーザーに提供するモデルが現実的となり、ASPやSaaSが登場した。普及を後押ししたのは、初期導入コストや運用管理コストの低減など、ユーザーサイドにも大きなメリットがあったことだ。
たとえばファイルサーバを自社で運用する例で考えてみると、まずサーバを購入し、ファイルサーバとして利用できるように各種セットアップ作業を行わなければならない。利用し始めれば、サーバが動作状況の監視やパッチの適用といった運用作業が発生する。
一方、ASPやSaaSであれば、サービスを申し込めば使い始められるため、当然専用のハードウェアなどを購入する必要はない。またサーバの監視やパッチの適用なども不要で、運用の手間も省ける。
この中でも特にメリットとして大きいのは、やはり運用負荷を軽減できる部分だろう。アプリケーションが稼働しているサーバが止まれば、当然業務に大きな支障を来すことになるため、管理者はサーバの定期的な監視や稼働状況のチェック、不測の事態に対する準備など、さまざまな作業に追われることになる。
これらに加えて管理者の頭を悩ませるのが、OSやアプリケーションのアップデートだ。セキュリティ対策の重要性が増している今、パッチの適用などによるアップデートを欠かすことはできない。しかしそれによってサーバの再起動が必要などということになれば、一時的に使えなくなる旨を社員に通知し、その上で業務への影響が少ない深夜や早朝といった時間帯を選んで実施しなければならないなど、大変な作業となる。こうした負担を解消できることが、ASPやSaaSの大きなメリットだと言える。


