Excelの作業を手際よくこなすには、複数シートの使い方が鍵になる! シート操作から、用途に合わせた複数シートの使い分けまで、シートの使いこなしをマスター!
Excel「複数シート」活用の奥義――インデックス
- Excelのシートってどういうもの?
- 複数シートの便利な使い方って?
- 知ッ得――1つのブックに作成できるシートの数は?
- 知ッ得――新規ブックに最初からシートを増やすには?
- 複数シート活用の三箇条
- 時刻のさまざまな入力方法シートの順番を自在に入れ替えるには?
- シート見出しを書き換えるには?
- 複数シートをまとめて挿入(増やす)には?
- あちこちのブックからシートを集めて新しいブックを作るには?
- 知ッ得――ブックからブックに移動するのに便利な技
- 知ッ得――シートのコピーや移動を行なう別の手段
- 重要なシートの見出しを色で見分けるには?
- たくさんのシートから目的のシートをすばやく選ぶには?
- 同じブック内のシートを並べて見たい
- 貼り付けたデータが元シートと連動して変わるようにする
- 知ッ得――リンク貼り付けが使えない時には?
- ブック全体から検索する
- ひと押し――検索結果をまとめて表示することもできる
- 複数シートを一度に印刷
- 知ッ得――不連続のシートをまとめて印刷したい!
- セル範囲に名前を付ける
- (さらに続く奥義は、1月19日に掲載予定)
原則編――
シートを使い分けよう
Excelのシートを使い分けることが真のパワーを引き出す
1枚目のシートしか使わないで、どんどんブック(ファイル)が増えていく。1枚のシートにいくつもの表がごちゃまぜ……。
そんな使い方は損! まずはシート使い分けの基本をおさらいだ。
そもそもシートって、どういうもの?
――シートが集まってブックになっている
シートは1枚の集計用紙のようなもの。Excelでは、シートを束ねて本(ブック)のような状態で1つのファイルに保存しておける。
順番の変更やシートの増減も自由自在だ。
Excelのシートの、2枚目、3枚目まで使っていますか? どのブックも1枚目だけ使っては、次の表はまた別のブックに作ることの繰り返しで、ブックがどんどん増えているのではないでしょうか。または、1枚のシートにいくつも表を作ってしまい、ごちゃごちゃして見づらくなってはいませんか。
Excelでは複数のシートが束ねられて1つのブックになっています。シートの順番は好きに変えられ、枚数の増減も自在です。
また、シートどうしを連携させて立体的に使うこともできます。この複数シートをうまく使いこなせなければ、どんなに複雑な関数を駆使していたとしても、Excelのもてる能力を十分生かして使っているとはいえません。複数シートの活用こそがExcelをうまく使いこなすカギなのです。
Excelで新規にブックを作ると3枚のシートが用意されます。実はこれは「1つのファイルに複数シートを収納できるブック構造になっています」というExcelの自己主張なのです。
これからはブック構造のことを念頭においてシート分けをし、Excelのポテンシャルを十分に生かすようにしましょう。
シート同士は連動している
各シートがブック構造になっているので立体的に活用することもできる。
たとえば、1つのシートで行なった操作を、同時に他のシートにも反映させられる。
知ッ得-1
Excelの仕様では、1つのブックに保存できるシート数はほぼ無制限。
しかしシート数が多くなれば、ファイルの読み書きに時間がかかるなどのマイナスも生じるので、やはり年度ごとなど、きりのよい単位で別のブックに分けたほうがいい。
複数シートをどのように使うかは、利用者のアイデアしだいですが、「1枚のシートに1つの表」というのが大原則となります。1枚の広大なシート上を移動するよりも、シートを切り替えるほうが必要な表を見つけやすいからです。
また、伝票を作成するたびに使う「商品一覧表」のような共通のデータは、伝票とは別の独立したシートに用意します。こうするとデータの一元管理ができますし、不用意に変更されないようにシートを非表示にしておくこともできます。
ただし、データベースとして集計するようなデータは例外で、1枚のシートにまとめて入力しておきます。ほとんどのデータベース機能は、データが連続した1つの範囲に入力されていないと使えないからです。
複数シートだからできる!
こんな便利な使いかた
便利1 シートの増減・移動が自在
シート単位で順序を入れ替えたり不要なものを消したりできる。シート見出しを色分けして目立たせることも可能(次ページ以降で詳しく解説)。
便利2 月ごとに分かれている表を四半期の表に合計できる
売上表などは月別にシートを分けるとデータが整理できる。シートをまたいでも計算できるので、合計は別シートにまとめられる。
もうひとつ、「シートの3次元構造」も意識してみましょう。もともとすべてのワークシートは同じ大きさで、同じようにセル番地が割り振られています。
そして、これらのシートが積み重なっているような状態がブック構造なのです。この仕組みを活用すれば、フォーマットが統一できる表を、それぞれ別シートに分けて管理することも簡単です。
フォーマットが統一されていれば、項目名の変更なども各シートの表に対して一括して行なえますし、「串刺し集計」も容易にできます。各月の売上合計だけを四半期ごとにまとめた要約シートを用意するというのもいいでしょう。
Excelの表で伝票を作りたいときは、データ未入力の状態の「原本」シートを残しておくと便利です。この「原本」シートを複製するだけで、新しい伝票を用意できます。
複数シートだからできる!
こんな便利な使いかた Part.2
便利3 計算に使った表を隠し結果だけを表示できる
計算に使った表は別シートにしておけば、非表示にして隠すこともできる。閲覧や印刷用のシートと内部計算用のシートを別に設計してもいい。
便利4 目的のセルにパッと飛ぶ目次が作れる
ブック構造を生かして、先頭に「目次」に見立てたシートを用意し、目的のシートをパッと開くような使い方もできる。
知ッ得-2
普通新規ブックにはシートが3枚あるが、この枚数は自由に増減できる。
メニューバーから[ツール]→[オプション]を選び、[全般]タブにある「新しいブックのシート数」で変更すればいい。
複数シート活用の3カ条
- 一、「1枚のシートに1つの表」が原則
- 二、式が参照する裏方の表は別シートに
- 三、同じ表を繰り返し作るなら「原本」シートを用意
このように複数シートを利用してデータを整理し、数多く用意されている機能を活用することで、Excelはもっと使いやすくなり、仕事の効率もあがります。
(次ページ、「シートの順番を入れ替えたり、見出しを書き換える」に続く)
この連載の記事
-
第3回
ビジネス
仕事に便利! 複数シートの効果的な使い方――応用編 -
第3回
ビジネス
仕事に役立つ! 複数シートの検索&合算技――応用編 Part.2 -
第2回
ビジネス
もっと効率化! Excel「複数シート」を仕事に活用 - この連載の一覧へ