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[東京 24日 ロイター] 2009年の為替相場はドルの下落を予想する声が大勢だ。金融危機と景気悪化、経済対策などに伴う政府負担の増大が世界同時に発生するためグローバルな資本フローは行き場を探して神経質に動き回りそうだ。
米国の劣勢が相対的に目立ち始める形でユーロ/ドルは上昇、ドル/円は1995年につけた最安値(円の最高値)79.75円を突破して下落する可能性もある。ほぼ5年ぶりの為替介入を予想する声も出ている。ドルの底打ちは米財政出動の効果が出始める年後半から翌年にかけてになりそうだ、との見方が多い。
市場関係者の予想レンジとコメントは以下の通り。
<三菱東京UFJ銀行 市場部門チーフアナリスト 高島修氏>
予想レンジ ドル/円:75―100円
ユーロ/ドル:1.30―1.50ドル
ドル安/円高が進みやすい地合いとみている。年明け以降は各国の財政政策や金融政策によって金融危機にやや一服感が広がるが、年後半は再び危機感が強まって円は買われやすくなる。ドル/円の史上最安値79.75円は、年後半に付けるとの見方だ。1月20日のオバマ政権発足で、財政出動による期待感からドル買いとの見方もできるが、あまり長続きなしないだろう。日本は基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化が遅れることで、数年間の長期スパンでみればネガティブだが、目先の円売りとしては限定的ではないか。
足元の円高の水準とスピード感を考えると、日本の金融当局による為替介入に対する警戒感が必要な状況になってきたと考える。欧米との協調介入については実質実効円相場を参考にしているが、10月に主要7カ国が円高警戒の緊急声明を出したこともあり、あと1割程度円高が進む場面においてはその可能性も否定できなくなってくると思う。なお、日本の企業は現時点でドル/円の想定為替レートを100円付近としているが、下方修正は避けられないだろう。
<三井住友銀行 市場営業統括部チーフエコノミスト 山下えつ子氏>
予想レンジ ドル/円:75―100円
ユーロ/ドル:1.35―1.50ドル
09年は積極的な財政・金融政策の効果への期待感あるいは失望感がドル相場を主体的に動かすことが多くなるだろう。
まず注目されるのは、オバマ米大統領が1月に発表する景気対策の規模と内容。また、米政府及び米連邦準備理事会(FRB)が打ち出す住宅市場対策や、FRBのバランスシート拡大を伴う大胆な資金供給措置の実施もポイントとなる。新政権に対する市場の期待感から、ドルは1―2月は堅調に推移する可能性が高い。ただ、その期待感も3―4月にはく落し始め、秋口にはドル安圧力が増幅、ドルが新安値を更新する局面も来るとみている。しかし09年終盤には、金融・財政の政策効果が薄くでも現れると思われ、年末にかけてドル買い戻しとなる相場イメージだ。
08年はドルの全面安が進行しなかったが、09年は米国のゼロ金利政策や量的緩和に加えて、米財政赤字のさらなる膨張も見込まれ、ドル安が進行しやすい地合いが続くだろう。
ここでのポイントは、米国がドル安を黙認する姿勢を見せるかという点だ。民主党は本来、保護主義的な政策に傾きやすく、米国で雇用問題が深刻化するなかで、製造業の競争力維持のためにも、ある程度のドル安が進行しても、ドル防衛的な行動に出ない可能性がある。ただ、ドル安が、外国人投資家によるドル資産の投げ売りを伴う「ドル危機」に発展するリスクが迫った場合は、米国主導のドル買い協調介入も考えられる。
<ドイツ証券 シニア為替ストラテジスト 深谷幸司氏>
予想レンジ ドル/円:83―103円
ユーロ/ドル:1.20―1.40ドル
ドル/円は史上最安値79.75円までは下落しないとみている。というのは、日本の対米貿易黒字が減少しており、リパトリエーション(資金の本国還流)の需要も見込めないからだ。それに日本が海外から資産を引き揚げるといったことでもしない限り、円高にはなりにくいとみている。ドル/円が90円を割り込んだら為替介入は必要だ。ただ、足元では踏み切れる状況ではなく、実際にその判断はもたつくのではないか。
09年は、米自動車救済問題や日本の年度末が重なる1―3月期が最も厳しい時期とみている。米経済指標などにより米財政政策の効き目を点検していくことになるだろう。引き続き米株価に振り回される展開も予想している。オバマ氏の大統領就任は、米国内に広がる沈滞ムードを払拭すると期待されている。それがドル反発につながる可能性もあるが、一方でオバマ新政権による政策運営の効果がみえてこなければ反発につながらないかもしれない。
<バンク・オブ・アメリカ 日本チーフエコノミスト兼ストラテジスト 藤井知子氏>
予想レンジ ドル/円:85―106円
ユーロ/ドル:1.30―1.48ドル
09年にドルが大きく下落する可能性は小さい。米連邦準備理事会(FRB)の大胆な金融緩和で、年前半にドルがフェアバリューを下回る水準へ下落することも考えられるが、FRBの金融緩和と大規模な財政出動によって米経済は年半ばまでに安定する。ユーロ圏も順調とは言いがたい状況下、ユーロ高を見込むのも難しい。ドルは年後半から翌年にかけて緩やかな上昇基調に戻るとみている。
年前半のドルの下落局面でも、ドル/円が最安値を更新するには、ファンダメンタルズ面から見た円買い手掛かりという下支えが欠けている。日本は景気の後退局面入りとともに量的緩和策が再導入される見通しで、市場のドル安/円高圧力は和らぐ。最安値更新の可能性は否定できないが、それは市場が大きく反応するような突発的な出来事があったとき。確率は高くない。そのため介入も行われないし、そもそも介入以前に、日銀の資金供給など金融政策面で対応をまず起こすのが筋だろう。
<JPモルガン・チェース銀行 チーフFXストラテジスト 佐々木融氏>
予想レンジ ドル/円:75―95円
ユーロ/ドル:1.37―1.50ドル
世界的な景気後退や信用リスク不安は来年も依然として根強く残り、年後半まで続く可能性が高い。為替相場では資本フローが減少し、経常収支の影響が大きくなる。さらに、かつてない景気後退が続くことを考えると、資本フローは積極的な対外投資ではなく、本格的なリパトリエーションで増加する可能性がある。つまり、世界最大の純債権国である日本の円が強く、世界最大の純債務国である米国のドルは弱くなりやすい。
膨らむ経常赤字やゼロ金利政策の導入、財政赤字の広がりから見てもドルは弱くなりやすく、円はキャリートレードの巻き戻しや対外投資の減少などから強さを維持する。特に日本の年度末にキャリー取引の解消などが出やすいため、ドル/円が安値をつけるのは3―4月になるだろう。ユーロは年後半に向けてじりじりと上昇するイメージだ。7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が中国に為替相場の柔軟性を求め続けた経緯などから考えて、介入は行われないと考えている。
(ロイター日本語ニュース 基太村真司、吉池威、森佳子 編集 橋本浩)
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