遮音性やタッチノイズは?
音質的にはそれぞれ魅力的である。では使い勝手などの面ではどうだろう?
遮音性は、EX500以外の製品はどれも、カナル型に期待される水準をクリアしている。電車通勤・通学での騒音カット効果を見込んで購入しても損はしないだろう。強いて順番を付けるとすれば、遮音性の高い順から並べて、X5 > Apple In-Ear > CKM90といったところだ。
EX500はカナル型としては遮音性が低いので、その点は注意が必要だろう(iPod付属のイヤホンよりはもちろん静かになる)。しかしその反面、ケーブルを伝わってくる足音やタッチノイズは少なめで、あまり気に障らない。そこが気になる人にはお勧めしやすい。
ケーブルの長さは前述のように、さすが純正のApple In-Earが使いやすい。ジーンズや上着のポケット、あるいはカバンに入れたときに、ケーブルが足りないことも余ることもない。
EX500とCKM90は付属の延長ケーブルの利用が必須で、その点にはムダを感じる。個人的には、今どきショートケーブルの需要がそれほどあるとも思えないのだが……。X5のケーブルは余裕を持った長さ。少し余り気にはなるが、取り回しに苦労するほどではない。
さてそれにしても、音質・遮音性・使い勝手・価格と全ての要素を総合して考えると、Apple In-Earは非常に魅力的だ。イヤホン業界に波紋を投げ掛ける一品と言っていいだろう。
同時に今回取り上げた他のイヤホンもまた、それぞれ個性を持った音を聴かせてくれる製品だった。Apple In-EarをきっかけにiPod付属のイヤホンからステップアップしてヘッドホンに興味を持った方は、他の選択肢にも目を向けてみるのも面白いだろう(関連記事)。