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30分早く帰れる! Excelの日付・時刻関数をズバッと攻略 第4回

時間関数を極めれば 面倒な給与計算がサクッと終わる!

2008年12月22日 05時00分更新

文● 構成● 尾崎裕子、アスキードットPC編集部

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勤務時間から
休憩時間(分)を差し引く

ポイント――「分」を計算するには TIME関数 でシリアル値に変換

●【完成形】休憩(分)を除いた勤務時間を求める

完成形

完成形。休憩時間(分)を除いた勤務時間を求められるようになった

●【NG】そのまま引き算するとエラーに

NG例

NGの例。そのまま引き算するとエラーになってしまった

 休憩時間を差し引いた勤務時間の計算は、「退社時刻-出社時刻-休憩時間」で求めることができますが、これができるのは、休憩時間が退社時刻や出社時刻と同じ「○○:○○」の形式で入力されている場合です。

 ここでは、休憩時間が「00:30」ではなく「30」と入力されています。これは数値データで、時刻のデータではありません。

 計算するには時刻のシリアル値に直す必要があります。数値をシリアル値に直すにはTIME関数を使います。

 時刻のシリアル値は1日24時間を「1」とし、時刻を小数点以下の数値で表したものです。たとえば12時のシリアル値は「0.5」になります。

エクセルは時刻をシリアル値に直して計算している

時刻とシリアル値の関係

時刻とシリアル値の関係


式の解説
F5 セルの式は?

 TIME関数の引数「時」に0、「分」に休憩時間の入ったセル、「秒」に0を指定してシリアル値に変換し、勤務時間から引く。

●時刻をシリアル値に変える
書式 =TIME(時,分,秒)

知ッ得――時刻のさまざまな入力方法

 時刻は「9:30」の形式のほかに、「9時30分」、「9:30 AM」と入力しても計算可能な時刻データ(時刻のシリアル値)として入力できる。

 「9:30 AM」の形式で入力する場合には、AM、PM、の前に空白を入力しないと時刻データにならないので注意する。


賃金計算しやすいように
「7:30」を「7.5」にする

ポイント――「7:30」の形式を時給計算に使うには 24を掛ける

 勤務時間が「7:30」のように入力されていると、時給を掛けても賃金を計算できません。

 これはエクセルが「1000×0.3125(7:30をシリアル値に変換したもの)」と計算しているせいです。

 しかし、「7:30」に24を掛けて「7.5」という数値にすれば、勤務時間×時給の計算ができるようになります。

 ここでは、F列の勤務時間に24を掛け数値にして、G列に表示。その合計をG10セルに求め、時給を掛けて賃金を計算しています。

●【完成形】勤務時間を「数値」で表わす

完成形

完成形。勤務時間を「数値」で表わせるようになった

●【NG】賃金が正しく求められない

NG例

NGの例。賃金が正しく求められなかった

 このときG5からG9の列の表示形式が「時刻」になってしまうので、必ず「標準」に戻してください。

 シリアル値では1日24時間を「1」で表します。1時間のシリアル値は、「24分の1」つまりシリアル値「1」を24で割った値(0.041666……)です。

 勤務時間が12時間「12:00」ならば、シリアル値は「24分の12」→「2分の1」→「0.5」です。「0.5」を「12」に戻すには、割った値「24」を掛ければいいことが分かります。

式の解説
G5 セルの式は?

 「7:30」と表示される時刻のシリアル値は、24を掛けるだけで「7.5」という数値にすることができる。

●時刻をシリアル値に変える
書式 =F5*24

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