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LinuxでもRIA――マルチOS化進むAdobe AIR

2008年12月19日 10時50分更新

文●小橋川誠己/企画報道編集部

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 「年内」と予告されていたAdobe AIR 1.5のLinux版が登場した。11月17日(米国時間)のWindows版/Mac版から遅れること1か月。米アドビ システムズは12月18日、「Adobe AIR 1.5 for Linux」を正式リリースした。Fedora Core 8/ Ubuntu 7.10/openSUSE 10.3に対応する。

Adobe AIR

「Adobe AIR 1.5 for Linux」のダウンロード画面


 Adobe AIR 1.5は、「Flash Player 10」相当の表現機能を搭載したAdobe AIRの最新版。Flash Player 10では、3Dアニメーション効果や、ユーザーが作成したカスタムエフェクトをアニメーション再生中にリアルタイムに適用できる機能などが追加されており、AIR 1.5でも同じ機能が利用できる。いずれもAIRの表現の幅を大きく広げるものであり、たとえばPhotoshopのような画像処理アプリケーションの開発をも可能にするものだ。このほか、JavaScriptの実行速度の向上や、内蔵するローカルデータベース(SQLite)のデータ暗号化対応などがAIR 1.5の新機能である(関連記事)。

Adobe AIR

日本の「AIR Gallery」にも続々アプリが登録されている

 ローカルファイルアクセスやSQLiteの内蔵などの特徴を持ち、当初から「マルチプラットフォームのデスクトップアプリが作れること」を標榜していたAIRは、バージョンアップを重ねることで、単なるガジェットから本格的なアプリケーションの実行環境へと変わりつつある。実際、日本でも「年賀状作成ソフト」のような“ガジェットではないアプリ”が登場しており(関連リンク)、AIRアプリのギャラリーサイトも充実してきている(関連リンク)。

 重要なのは、「機能差のないマルチプラットフォーム対応」だろう。海外メディアやブログの中には、安価なNetbookのヒットによってデスクトップLinuxを採用するケースが増えていることを引き合いに、AIRの存在価値が高まることを指摘する声がある。Windows/Mac版と同等の機能を持つ「AIR 1.5 for Linux」の登場によって、そうした流れへの勢いがつくことになるかもしれない。

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