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日銀政策発表、中途半端なら一段の円高/株安リスク

2008年12月18日 14時18分更新

 [東京 18日 ロイター] あすの日銀の政策発表を前に、18日の東京市場では株、ドル/円ともにとりあえず下げ止まっているが、下値懸念は根強い。日銀が思い切った金融緩和策を推し進めなければ、一段の円高が引き起こされ、日本株売りにつながる、とみる参加者は多い。

 中途半端な金融緩和では円高圧力がかかり続け、円売り介入の際の効果が限定的になるだけに、内外の投資家はこれまでになく日銀の行動に注目している。

 <介入と金融政策のあわせ技>

 為替市場でドル/円は一時87.18円まで売られ、前日海外でつけた13年半ぶりの安値87.13円に接近した。

 米連邦準備理事会(FRB)のゼロ金利政策や量的緩和措置の表明など、金利面での魅力の薄れや資産劣化懸念でドル売りの流れが続いており、「積極的なドル買いの動きは想定しにくく、東京市場でも、日中は戻りが鈍い」(国内金融機関)という。

 ある資本筋は「ドルの戻りは限定的だ。88円まで上昇しても押し戻されるのではないか」とみる。

 こうした中、市場では、為替介入への警戒感が強まりつつある。ある信託銀関係者は「円高を理由に株式市場で輸出株が売られ、当局から警戒のコメントが出始めたら、それが1つのサインになる」として、株価がポイントになるとの見方を示す。ただ、いまのところ「(市場には)まだ過熱感がなく、ドル・ショートはたまっていないので、ここで介入しても効果は限定的」といい、「1日2―3円の下落が何日か続いて、ドル・ショートのピークを迎えたら介入してくるのではないか」と指摘する。レベルの目安は80.00円もしくは史上最安値の79.75円という。

 また、介入の効果について、バンク・オブ・アメリカ、日本チーフエコノミストの藤井知子氏は「金融政策の協力がなければ単独介入の効果は薄いだろう」と話す。藤井氏は、日銀の政策のメインシナリオとしては0.2%幅の利下げ、これに流動性供給促進策として、国債買い入れ額の小幅増額、CP買い入れについての具体的検討の表明などを予想する。

 一方、「利下げが見送られれば、円高圧力がかかり、それが株価下落、景気懸念を呼ぶ展開になりかねない」とみる。

 <政策期待が下支え>

 株式市場でも、日銀への期待感が日に日に強まっている。「今回の決定会合では、日銀のノーアクションはありえない」(準大手証券)との見方がコンセンサスだ。

 利下げについては、政策効果そのものへの期待は乏しいが、政策発動によって日銀が円高や景気の悪化に対して断固としたスタンスを示すことが重要、という。ある外資系証券筋は「日欧は政策面で米国に対する出遅れが目立つ。日欧の協調がなければ、ひずみはドルに向かう」と話す。

 FRBによるバランスシート拡大やオバマ政権に期待される大規模な景気対策、財政拡張路線は、一方で「ドルの信認を揺らがせ、ドル暴落リスクを抱え込むことにもなる」(投信)。これを防ぐためには機軸通貨の安定と世界景気の回復に向けて日米欧が協調姿勢を打ち出し、市場を心理面から誘導するしかない、という。

 この日は、下値不安をかかえながらも、日経平均は続伸。

 87円台まで進行したドル安/円高を嫌気して安寄りしたものの、まとまった買いが入ったことをきっかけに先物主導で切り返した。「下げたところで国内からとみられるまとまった買いが入った。年金の可能性もある。商いが薄いため、いったんは売りにくいムードになっている」(準大手証券)との声が出た。

 個別株をみると、ドル安/円高を受けてトヨタ自動車<7203.T>など輸出関連の一角がさえない。このセクターは業績にも急ブレーキがかかっており、17日に業績予想を下方修正したホンダ<7267.T>も軟調。世界景気や為替の先行き不透明感が強いため、下方修正が発表されても悪材料出尽くしにはなっていない。一方、マネーの目詰まりを防ぐためのCP買い取りなど日銀の政策期待から、銀行株や不動産株は堅調な展開となった。 

 <利下げ/資産買い取りの効果>

 円債は現物中心にしっかり。

 邦銀の債券運用担当者は「朝方には中短期債利回りが強含んだが、下値では買いが入り堅調になった」と指摘した。国債利回りは、中期ゾーンを起点に超長期ゾーンにかけて低下幅が広がり、フラットニングする形状となった。

 財務省が発表した12月7日─13日の対外対内証券売買契約等の状況(指定報告機関ベース)によると、対内債券(中長期債)投資は2360億円の買い越しとなった。買い越しは13週ぶり。

 新光証券・チーフ債券ストラテジストの三浦哲也氏は「長期債の買い取りの可能性に言及した1日のバーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の発言をきっかけに進展したグローバルなフラットニングの流れに巻き込まれた。円債は海外勢の売りが減る一方、買いが増えるだけで地合いは一変する。海外勢の買いが年明け1月以降も続くのかを見極めたい」と話している。

 日銀の金融政策決定会合を控え模様眺めムードも強かった。市場では、円高/ドル安進行に歯止めがかからないため、利下げ観測が広がっている。

 ただ、「短期金利をゼロにしたうえで準備預金を積ませ、そこからポートフォリオのリバランス効果を狙っても、銀行が痛んでいるときは効かない」(国内証券)との声が聞かれる。

 別の参加者からは「効果があるのはCPや社債、株を買うことだ。銀行の貸し渋りは株安の影響もある。消費マインド、景気にもプラスだ」といい、利下げよりも資産買い取りに重点を置くべきとの見方もあった。 

 (ロイター日本語ニュース 橋本 浩記者 編集:佐々木 美和)

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