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高級施設専門の宿泊予約サイト「一休.com」が伸びるワケ

おとなの社会科見学12

2008年12月16日 05時00分更新

文● 山崎マキコ

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 それでちょっと驚いて、家に帰ってから調べてみた。一休.comは、宿泊とレストランの予約サイトだったんだけど、楽天トラベルとの最大の違いはサイトに掲載されているホテルや旅館、そしてレストランは、いわゆる一流と呼ばれるところに限定されているのである。で、実際に取材に行って教えてもらったのだけど、案の定一休.comは掲載にあたって事前審査を行なっていた。

 たとえばレストランだと、審査用の予算というのが組まれていて、最初は覆面で食べに行くのだという。ほとんどミシュランの世界である。その上で一流と認められたホテル・旅館・レストランとだけ契約するのだという。しかも掲載後も、クレームが多いと契約を切ってしまうとか。

打ち合わせ1
打ち合わせ2

 一休.comを運営する株式会社一休の営業企画・マネージャー、本吉裕之氏は、

 「審査は社内にもあるんですけど、お客様も全員が審査員なんですね。たとえ超有名ホテルでも改善要求を出して一定期間内に改善されなかったら契約を止めてしまいます」。

 このような地道な努力によって、一休.comに行けば確実に高いレベルのホテルやレストランにアクセスできるという信頼感を利用者と施設側両方に与えているというわけ。

 ちなみに取材時の一休.comは、放送作家の小山薫堂氏と組んで「Vitamin Hotel」という企画を進めていたのだけど(日光金谷ホテル内に、一休.comでのみ予約可能なスペシャルルームをプロデュースするというもので、2008年12月現在予約受付中である)、その打ち合わせの席で、とある高級旅館の名が挙がった。小山氏はその旅館をやはり一休.comを通じて予約したそうなのだけど、驚いたのは朝食のときだったという。メニューに「明太子」と書いてあったので明太子を待っていたら、出てこない。で、小山氏が旅館の人に、

 「すいません、明太子は?

と尋ねたら、

 「小山様は魚卵を召し上がらないと伺いまして」。

と返答されたのだという。小山氏はマネージャーが気をきかせて旅館側に何か伝えたのかと思い、確認したところ、そんな事実はないという。どうやら旅館側がネットなどで小山氏の人となりを事前に調べて、それで明太子を出さなかったというのが真相らしい。小山氏はそのときだけは妙に明太子を食べたい気分だったらしいんだけど、その旅館のもてなしにはいたく感動したと語っていた。横で聞いていたわたしは、

 「一流の旅館って、そこまで接待に気を使うものなのか」。

と、あっけにとられた。ちなみに、一休.comの会員のボリュームゾーンは30代後半から40代なのだけれど、そのぐらいの年代の富裕層に支持されて、一休は伸びたのだなと感じた次第なのでした。

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