マイクロソフトの中国法人が、不正規ライセンスのWindows XPを使用しているユーザーに対し、一定時間ごとに壁紙を真っ黒にして警告する、いわゆる「ブラックスクリーン問題」が話題を呼んだ。ブラックスクリーン問題については、山谷剛史氏の連載記事を参照していただきたい。
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| 秋葉原でよく海賊版ソフト販売のチラシ配りが行なわれている路地。摘発のニュースを目にすることもあるがいたちごっごと化している |
ブラックスクリーン問題は中国の話題であるが、偽造、あるいは正規のライセンスではない「海賊版」のソフトウェアの流通は日本でも深刻だ。例えばこちらの記事では、秋葉原の路上で海賊版ソフトウェアを販売していたグループが摘発されたニュースが報じられている。こうした事件は報道を通じて目にすることも多いが、路上販売よりはるかに深刻なのが、ネット、特にオークションサイトを利用した海賊版流通である。
言うまでもなく、海賊版ソフトウェアは売ることも使うことも著作権の侵害に当たる。しかし、ネット上での取引を通じた海賊版流通は止まるところを知らず、摘発が追いつかない。現在の海賊版ソフトウェア事情の一面を、Windowsの海賊版事例とマイクロソフトの対策から見てみたい。
ネットオークションで横行する海賊版Windows
Q1 海賊版Windows流通の現状は?
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| 本稿執筆中のYahoo!オークションでの例。正規品と書かれて出品されてはいるが、その多くは海賊版というのが実態。海賊版と理解して落札する悪質なケースだけでなく、知らずに買ってしまうケースもある |
A1 ネットオークション最大手であるYahoo!オークションだけでも、毎日3000件以上が出品されており、ここ1年で7万件の落札が確認されているという。ちなみに、本稿執筆中にYahoo!オークションを確認してみたところ、オペレーティングシステムのカテゴリーだけで3700件近くの出品があった。このすべてが海賊版の出品ということはないが、ほかのカテゴリーに海賊版Windowsが出品されているケースもあるので、毎日3000件というのは妥当な数字だろう。
しかも、この数字はYahoo!オークションだけ。ほかのオークションサイトを合わせれば、一体どれほどの海賊版が販売されているのか見当もつかない。
Q2 海賊版を使うことにリスクはあるのか?
A2 特にセキュリティー面でのリスクが懸念される。12月4日の説明会では海外の事例だが、海賊版Windowsにあらかじめマルウェアが仕込まれている事例が確認されているという。
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| 海外で違法に複製された海賊版ディスクが、日本に持ち込まれるケースが多い。税関など水際での阻止も行なわれているが、対策が追いついていない |
「海外の事例なら、日本のネットオークションには関係ないだろう」と思うなかれ。日本で流通している海賊版Windowsもまた、その多くが国際的な犯罪グループによって海外で製造されている。つまり日本で入手した海賊版に、マルウェアが仕込まれている可能性は否定できない。
こうしたマルウェアにより、システムがクラッシュする程度ならまだかわいい方だ。個人情報やオンラインゲーム/オンライン取引の際のアカウントとパスワードを盗まれることも考えられる。例えば、オークションサイトで海賊版を購入した人なら、海賊版を導入したパソコンでも同じオークションサイトを利用する可能性が高いと推測できる。つまり、海賊版Windowsにキーロガーなどのマルウェアを仕込んでおけば、オークションサイトのアカウントをたやすく盗める。そのほかにも、海賊版Windowsを導入したパソコンが仕込まれたマルウェアによって、知らないうちにBotネットワークに組み込まれて、他者への攻撃に悪用される可能性もある。
海賊版Windowsのセキュリティーリスクは以前から警鐘が鳴らされていた。しかし、現実的なリスクとして捉えている人は多くなかっただろう。今やそれは現実のものだ。海賊版Windowsを買うという行為は著作権侵害に止まらず、個人情報やユーザー個人の財産を失う危険性もあるのだ。

















