発売されてからそろそろ2ヵ月が経過しようとしているが、「MacBook」は2008年に発売されたノートパソコンの中でも、最も美しい外観を持つ製品だろうと思う。あくまで筆者の独断ではあるが、実物を見たことのある人なら、異論がある人は少ないだろう。
2年前、MacのCPUがPower PCベースからインテルのx86系に移行して以降、「Windows一本槍」のユーザーにとっても敷居は低くなった。実は筆者も、WindowsとMacを併用している。
ではWindowsユーザーから見て、MacBookはどんな魅力があるのか? 使い勝手を掘り下げる形でチェックしてみよう。
アルミボディーは魅力抜群! ルックスは満点
マックには詳しくないユーザーのために、まずはMacBook特有の“事情”を解説しておこう。MacBookは一般的に、年2回モデルチェンジする。今回のような、デザイン変更を含む「フルモデルチェンジ」の場合もあれば、CPUクロックやHDD容量を変更する程度のマイナーチェンジもある。Windowsパソコンと違うのは、それぞれのモデルチェンジで注文用型番は変わるものの、機種名は変更がない、という点である。
だから、今回のフルアルミボディーの機種の名前が「MacBook」なら、今春に出たポリカーボネートボディーの機種の名前も「MacBook」である。そのため一般的には、名称に発売時期をつけた通称で呼ばれることが多い。今回取り上げるモデルでいえば、2008年後半モデルなので「Late 2008」などと呼ばれるわけだ。同じLate 2008の中にも、アルミボティーの機種もあれば、最廉価モデルには白のポリカーボネートモデルもあるというあたりが、少々複雑である。
今回採り上げるのは、アルミボディーのモデル。最上位機種の「MB467J/A」だ。下位機種はCPUクロックやHDD容量が異なるほか、キーボードバックライトがない。以下、特に断りのない場合、本文中で「MacBook」とはこの機種のことを指す。
外観上の特徴は、もちろんアルミボディーと、ボタンのないタッチパッドである。アルミボディーのパソコンは昔からいくつか存在する。だが、このMacBookのクオリティーは圧倒的だ。
一枚板をくりぬく形で作られているため、各部の仕上げがきわめて精緻である。特にエッジ部やコネクタ穴の処理などは、とても15~18万円で手に入る製品とは思えない美しさである。取材時に、CPUやマザーボードなどが入っていない、アルミボディーだけを見たことがあるが、驚くほど軽く剛性も高い。とはいえ重量は2kg前後と、ピュアなモバイルノートに比べれば重い。またちょっとしたことだが、外箱の小ささ、美しさも特筆に値する。こういう演出のうまさが、アップルの美点といえる。
日本の13インチクラスノートの場合、ボディーは当然プラスチックが主流。デザイン性を考え、天板などの仕上げに凝るメーカーが増えているが、MacBookほど高級感のあるものはみかけない。その分、実売では同スペックのWindows機に比べ2~3万円高めになっているが、それだけの価値はある。また、バックライトがLEDで、同価格帯のノートに比べるとディスプレーの画質も良好だ。ただし、同様にLEDバックライトを搭載した「MacBook Pro」や「MacBook Air」、他社の高級ノートに比べると、若干だが発色が悪い印象を受けた。「10万円台後半の価格帯では最高クラスだが、トータルでは最高と言うほどではない」といったところだろうか。
そのほかに、キーボードはMacBook Airとまったく同じパーツになったようで、旧モデルに比べタッチが大幅に良くなっている印象だ。同価格帯のパソコンの中では、間違いなくトップクラスである。
個人的には、内蔵HDDが非常に取り外しやすくなっている点を評価したい。バッテリーを外すと、すぐその奥にドライブがあり、分解などは不要だ。仮にドライブにトラブルがあっても、短時間で交換ができるので安心感がある。
もちろん、HDD交換行為は保証対象外のものだが、仕事に安心して使うためには重要と考えている。ちなみにHPのビジネス用ノートやThinkPadも、同様のポリシーで設計されていることで知られている。
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