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レイヤーの自動合成やCameraRawも試してみました

使い勝手が「かなり」向上! Adobe Photoshop CS4

2008年12月03日 12時00分更新

文● 諫山研一

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高度な自動合成機能で写真表現の可能性を広げる

 CS3に備わっていた、似た画像のレイヤー同士を整列/合成する機能は、CS4でさらに強化されている。ここでは、ピントの合っている位置が違う複数の画像を合成し、被写体すべてにピントが合った画像を作成できる「レイヤーを自動合成」機能を試してみた。

 サンプルに使用したのは1200×820ドット程度の画像7枚。各画像はピントが合っている位置が違ううえに、撮影位置が微妙にずれているが、すべての被写体にピントが合った画像を簡単に作成できた。この作業をPower Mac G5(2.5GHz)と、少々古いマシンで実行したところ、作業に要した時間は43秒程度だった。

 非常に複雑なマスク処理や自動位置合わせが同時に行われていることを考えると、かなり高速だと言っていいだろう。合成に要した時間や出来上がった画像の精度も非常に高レベルだ。

左の画像は、画面の下部分がボケており、一部にしかピントが合っていない。右の画像は「レイヤーを自動合成」を実行したあと。全体的に明るく調整されているほか、ピントの合っている範囲が拡大されているのがわかる

レイヤーマスク

レイヤーパネルのマスク部分(白黒の部分)に注目してほしい。このように複雑なマスクが、自動計算されて画像を合成しているのにもかかわらず、作業に必要な時間はかなり短い

 安価な一眼レフカメラで撮影する場合、全体にピントを合わせるために絞りを強くすると、光の通る穴が小さくなり、その小さな穴を抜けた光の一部が曲がって広がる「回折現象」が発生し、かえってシャープネスが落ちてしまう。そのため、フレーム内の全体にピントをあわせた写真を撮るには、独立したファインダーを持たない「ビュー・カメラ」と呼ばれる、高価な大判カメラが必要だった。この機能により、後処理で実現できるようになったのは大きい。

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