ポッドキャストで隙間時間も有効活用
そしてもう1つ、街を使いこなす強化ポイントはポッドキャストのダウンロードに対応した点だ。英語学習やニュースを聞くために、ポッドキャストを使っているユーザーは多い。iPodでもiPhoneでもポッドキャストを聞くにはいちいちパソコンのiTunesに接続して同期する必要があり、朝時間がないときに同期を忘れると、前日と同じエピソードを聞くことになってしまう。
今回のiPhoneのiTunes Storeでは、Wi-Fi環境でなくてもポッドキャストの検索と10MB以内のエピソードのダウンロードに対応したのである。3Gの電波の下でiTunes Storeを起動すると、検索とポッドキャストディレクトリが表示できる状態になっており、ポッドキャストのエピソード一覧からエピソードを選んでダウンロードができる。
10MB以内という制限は付いているが、音声のキャストはほとんどがこの範囲内に入るし、モバイルポイントが利用可能になったため、駅やファーストフードでちょっとダウンロードしておく、という使い方も可能。より手軽にポッドキャストを聞くことができるようになる。
マップの強化で街の移動が非常に快適になり、移動中にポッドキャストで情報を得る。これらの機能強化は、日本の過密都市の中での生活者にとって、非常に有益であり、より隙間時間の充実を図ることができそうだ。それは日本のケータイのようにケータイ向けのコンテンツを提供するのではなく、あくまでウェブで一般的に広がっているコンテンツを活用できるようにする、という流儀が貫かれている。
OSレベルで絵文字に対応
iPhoneの絵文字対応は多くの日本のユーザーにとって歓迎されている機能ではないだろうか。絵文字に対応した日、たくさんの「iPhoneともだち」から絵文字入りのSMSをもらった。
絵文字を使うには、iPhoneの設定画面から「一般」→「キーボード」→「各国のキーボード」→「日本語」と選び、絵文字をONにすると使えるようになる。絵文字がキーボードのように搭載された点で、「日本のソフトバンクがAppleとOSレベルでの絵文字の搭載にこぎ着けた」という孫正義社長のエピソードを裏付けるようだ。
絵文字を入力するためには、キーボードの地球ボタン(キーボード切り替え)を押す。すると、絵文字のパレットが表示されるので、iPhoneのホームスクリーンのように絵文字をタッチして選択する。最下段には絵文字のジャンルのアイコンが並び、切り替えられるようになっている。直近に入力した1ページ分の履歴があり、よく使う絵文字をすぐに見つけ出すことができる。
iPhone上での文字入力のこれまでの操作に比べると、地球ボタンで切り替えるのが若干面倒に感じた。特にフルキーボードで文字入力をしていると、その作業が中断されて絵文字を選ぶのがかったるいのである。ちょっと絵文字選択時の一覧性に欠ける部分はあるが、絵文字が入力できるのと、できないのとでは大違いである。
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