情報過多時代の充実した検索機能
現在のパソコンを代表する2つのOS、Windows VistaとLeopardは、GUIや操作性など異なる部分も少なくないが、装備する機能を比べれば似ている点が多いのも確かだろう。今回取り上げる検索機能も、その類似点の1つと言える。
ここ近年パソコンで扱う情報はその処理能力やHDD容量の向上と呼応して、種類や量ともに飛躍的に増大し続けている。そうなると、ユーザー自身が1台のパソコンの中に記録されている情報やファイルの保存場所、内容などをすべて把握することは難しくなる。そこで近年特に注目を集めているのが、OSが標準装備するようになった検索機能だ。
実はこうした検索機能の重要性をアピールしたのは、Mac OSよりもWindowsのほうが先だった。何年かあとに発売になるVistaの先行発表の際には新機能の目玉として、ファイル検索機能が大々的に取り上げられたほどだ。
当初はそれを静観していたように見えたMac OSは、Vistaよりも先に発売したMac OS X 10.4(Tiger)に「Spotlight」を搭載し、包括的で高速な検索機能をWindowsよりも先に実現したのだった。
現在のOS内蔵の検索機能は単にユーザーが入力した語を含むファイルをその都度表示するだけでなく、ある条件に沿ったファイルをダイナミックに収納する検索フォルダー機能を装備するなど、機能も充実している。高速な検索機能はもちろん、その設定方法も含めて類似性は高い。
以下、Mac OS X(左)とWindows Vista(右)で比較した図だ。
検索メニュー
![]() |
![]() | |
Spotlightの検索メニューは、画面の右上、メニューバーの右端にある。最初は検索フィールドがあるだけだが、検索した結果はメニューとして表示され、それを選べば開けるというシンプルな構成 | Vistaが備える検索フィールドは、LeopardのSpotlightとは対称的な位置、画面左下の「スタート」メニューの根元にある。検索結果が同メニューの内容を置き換えるという独特の仕様だ |
結果一覧
![]() |
![]() | |
メニュー状に表示される検索結果のいちばん上にある「すべてを表示」を選ぶと、別ウィンドウが開いて、検索結果の一覧を表示する。このウィンドウは、一般のFinderウィンドウと同様の外観だ | 検索結果をメニューとして表示する部分のいちばん下にある「検索結果をすべて表示」をクリックすれば、別ウィンドウに結果の一覧を表示する。ここからさらに「高度な検索」を実行することも可能 |
検索結果の保存
![]() |
![]() | |
検索結果を表示したウィンドウで「保存」ボタンをクリックし、名前と場所を指定すると、検索結果をダイナミックに更新しつつ、常に表示し続ける「スマートフォルダ」として保存できる | 検索結果を表示したウィンドウで「検索条件を保存」をクリックすると、開くだけで保存した条件の検索を実行する「検索フォルダ」を作成できる |
検索結果の制限
![]() |
![]() | |
システム環境設定の「Spotlight」では、検索の対象とするファイルの種類を選択できる。また特定のフォルダーの中身を検索対象から外すことも可能だ | コントロールパネルの「インデックスのオプション」では、ファイルの拡張子ごとに、検索用のインデックスを作成するかどうか、どのようにインデックスを作成するかといった細かな設定が可能 |
この連載の記事
- 最終回 ユーザーの優柔不断につきあう「ゴミ箱」
- 第13回 右クリックメニュー、その歴史と効果
- 第12回 Mac・Winで比べる、ソフトの切り替え方法
- 第11回 「ヘルプ」機能から見る、Mac OSの今と過去
- 第10回 発展し続ける「ウィジェット」
- 第9回 スクリーンセーバーの存在意義
- 第8回 「マルチユーザー」サポート
- 第7回 日本語入力の生い立ち
- 第6回 クリップボードという大発明
- 第5回 ファイル表示のあれこれ
- この連載の一覧へ