最後に廣瀬選手と中村選手に今シーズンを振り返ってもらった。
廣瀬選手
今日のレース前は若干諦めムードだったんですけど……。初日の午前中で優勝候補の方々が脱落してしまって。他のクラスもリタイヤが多かったみたいですけどね。シリーズ全体を通して見ると、前半は自分の理想のドライブができてたと思います。いきなり3勝できましたし。ですが、後半はちょっと難しかったですね。我々はグラベル（未舗装路）のイベントは出ないので、その間はお休みだったんですが、そのときにクルマがちょこちょこ壊れて。直すついでに仕様変更したんですが、どうにもこれが裏目に出たようで（笑）。それで最初の3勝のマージンがなくなってしまい、なかなか思い通りに行かなかったシーズンだったと思います。
ファンからの差し入れの巨大メロンパンをほおばる廣瀬選手
今日のコースアウトは自分でもビックリしました。ボクら以外にも10台くらい落ちてるコーナーで。一見何の変哲もない場所なんですが、何台もラリーカーが舗装されていない部分をインカットで走るので砂利が掻き出されていたんです。うっかりそれに乗っちゃったみたいで。なんとか無事に脱出できて良かったです。
ボクは中村クンと違ってアニメとかあまり詳しくないんですが、このクルマに乗ってからファンの人たちと仲良くさせてもらって、勉強もさせていただきました。大阪のメロンブックスにこっそり行ったり（笑）。来年ですか？ ちょっと資金的に厳しいんですが、そのへんは中村クンに頑張ってもらおうかと（笑）。もし出ることになったら応援してください。今年はありがとうございました！
中村選手
最初は痛車で出るのは考えてなかったんですよ。でも、ラリーという競技を盛り上げるには一般企業のスポンサーに声をかけるのが一番だと思いまして。そのうえで知り合いに声をかけ、最終的にメロンブックスさんがスポンサーになってくれました。私自身もアニメオタクなので、うれしかったですね（笑）。
しかし、今年は長い一年でした。一番ガックリきたのは前戦の「ハイランドマスターズ」でトランスミッションのトラブルでリタイアしたことです。今日もトランスミッションから異音がしてたので、もしタイムを削る走りをしていたら、壊れてたかもしれないですね。幸い、今日は順位キープの走り方だったので、なんとかもってくれました。
表彰台にも上がれて最高の結果だったのではないだろうか
でも、SS11でコースアウトした瞬間は頭が真っ白になりましたけどね（笑）。このときばかりはリタイアが頭をよぎりましたよ。このコーナーは今回のラリーの中でも屈指の難易度で、ここで10台以上が犠牲になった場所なんです。不幸中の幸いで、犠牲になった人たちが側溝から脱出する際に使った石が転がってたので、そのおかげで時間のロスも最小限に抑えることができました。あと、午前中はいたるところに氷がありましたしね。完走すればチャンピオン確定と言われてましたが、まったく気が抜けませんでした。とにかく、なんとか完走できてよかったです。
メロンブックスさんとファンのみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。チャンピオンという手土産をもって報告に行けるのはうれしいですね。1年間、いろんな人から声援をいただきありがとうございました。痛車については最初こそ賛否両論ありましたが、最後はみんなに歓迎してもらえました。ぜひ来年も応援よろしくお願いします。
（次のページへ続く）
