マルチスレッド非対応ソフトも速い
グラフ2はシングルスレッドの数値計算テスト「Superπ」の結果。104万桁を12秒という圧倒的なスコア。3GHzのCore 2 Quad、QX6850(2次キャッシュ4MB)が17秒、QX9650(キャッシュ6MB)が15秒なので、Core i7の8MBのキャッシュもそれなりの貢献をしたと思われるが、それにしてもQX9650比で25%アップは大きい。
Core i7にはターボブーストという機能があり、休んでいるコアがある場合には熱設計上余裕が出るため、その分、動いているコアのクロックを自動的にアップさせるようになっている。今回はBIOSデフォルトの状態で動かしており、ターボブーストが有効になっていない可能性もあるが、スペック上のクロックの差(200MHz)では6.7%のアップにしかならない。ターボブーストが機能したうえ、容量は256KBながらレイテンシが大幅に改善された(15クロックから10クロックへ)2次キャッシュ、8MBという3次キャッシュの容量、およびメインメモリの3倍近い性能差が組み合わされた結果が、このような大きな差になったと考えられよう。
グラフ3~5は、シングルスレッドと思われる3D描画系のテスト。これらにおいても、200MHzのクロック差では説明できない大きな差が付いているが、これらもSuperπと同じ理由と思われる。
グラフ6は2スレッドが同時に動く、Windows Media Encoderでの圧縮テストだが、これも3GHzのQX9650に対して13%の性能アップとなった。コアが2つしか動いていないので、ここでもターボブーストが効いていると考えられ、これとメモリ関係の強みが、クロック差(6.7%)で説明できない分を補っていると見ることができる。
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