[特別企画]ビジネス情報を活かすためアーカイブツール「Symantec Enterprise Vault」の実力 第3回
2つのツールでコンプライアンス・監査に対応
アーカイブからメールを探し出せ
2008年11月27日 04時00分更新
前回はビジネス情報のアーカイブの重要性とシマンテックのアーカイブツール「Enterprise Vault」について見てきた。最終回の今回は監査とコンプライアンスという2つの要件でメールを探し出す「Discovery Accelerator」と「Compliance Accelerator」という2つのオプションについて見ていきたい。
必要なメールを探して企業で活用する
シマンテックのアーカイブツール「Enterprise Vault」では、ExchangeやLotus Dominoなどのメールを改ざん不能な形で保存し、必要に応じて検索するための機能を提供する。元のメールデータをアーカイブとして移動する際には、Enterprise Vaultが検索を高速に行なうためのインデックスを付けたり、圧縮してサイズを減らしたり、改ざん不可能な状態にする。こうしてVaultストアと呼ばれるボリュームに保存されたアーカイブに対しては、WebブラウザやOutlookなどから検索をかけることができる。
アーカイブには、ユーザーの利便性の向上やディスクの節約、管理の効率化、セキュリティの向上などさまざまな効能があるが、威力が発揮されるのは、メールの監査やコンプライアンスの要件だ。単に溜め込むだけではなく、きちんと探して業務に活用しようというわけだ。
たとえば、抜き打ちで監査があり、「30名分のメールを1ヶ月分すぐに提出せよ」という要求が法務部に突きつけられたとする。しかし、現在多くの会社はこうした要求に対して、即応できる体制になっていないはずだ。仮にデータ自体が溜められていても、情報システム部や外部の情報システム子会社等に作業を委託し、1週間後にようやくレポートとして上がってくるというのが実態であろう。
だが、こうした体制では、今後法規制的に不備を来したり、訴訟などに敗訴する可能性もある。実際に米国では電子情報の保存や保管、検索、取得、生成などについて定められた「連邦民事訴訟規則」があり、情報の扱いに不備があると、裁判で監査プロセスの甘さを指摘されることになるという。
現在、業務上のコミュニケーションツールとしてメールはきわめて重要な地位を占めており、メールアーカイブは日本版SOX法への対応でも有用なソリューションとして位置づけられている。今後、監査などの際に、必要なメールをスピーディに取り出し、レポートとして提出するのは、特に法務部や情報システム部で必須の作業になる。
また、業務の正当性を示す証拠としても、メールの重要性は高い。日米問わず、不正な会計処理などが持ち上がった際に、まず差し押さえられるのが、メールサーバだったりする。これはビジネスの流れや指示系統がメールをひもとくことで明らかになることが多いからだ。
こうした要件を満たすために必要なのが、「Discovery Accelerator」と「Compliance Accelerator」という2つのオプションのツールである。これらは標準搭載されている検索ツールの機能を補い、監査とコンプライアンスに特化したワークフローを実現する。
Discovery AcceleratorとCompliance Accelerator
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