Lesson 4「ドラムトラックでサンプリングする!」
次はドラムトラックがサンプリングであることを利用したワザ。非常にトリッキーなワザなので、金森さんの実演と解説をよーく見てほしい。キモの部分はごく一瞬だ
これで分かったのは、DS-10はEDIT画面を操作中の音の変化もサンプリングしているということ。それをまんま取り込んでしまうというワザなのだ。画面の切り替えからOKボタンを押すまでの動作を素早く。そしてOKボタンが有効になるタイミングを狙って連打するのがコツだ。
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| [DRUM EDIT]画面からLボタン(DS-10初期設定の場合)を押し、素早く画面を切り替え[OK]を押す | ||
なお、このワザで作った音は保存できない。したがってデータをロードするたびに、毎回この操作をしなければならないし、いつも同じ音が作れるとは限らない。でもDS-10の動作を利用した芸としては非常に面白い。
番外編「人間の言葉を喋らせる!」
最後にDS-10 EXPOでも披露されなかった特殊なワザをひとつ。
これを教えてもらったきっかけは「DSでボコーダーは作れませんか? MS-10の時代にVC-10という製品があったじゃないですか」という質問をしたこと。金森さん曰く「ボコーダーはマニアック過ぎる気がしますね……」と。が、間髪いれず「でも、こういう方法もあります」と言って、DSを顔に近付け、口をパクパクしはじめたのだった。
それはDS本体のスピーカーをトークボックスとして使うという、超トリッキーなワザだった。ああ、この人、頭の中だけでシンセ作ってるんじゃないんだ、スゲー。
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| マイク片手に、DS-10の秘技を次々と紹介していく金森氏 |
トークボックスというのは、スピーカーにつながったホースを口でくわえ、楽器を鳴らすというエフェクターのようなもの。あたかも人が喋っているように聴こえるから面白い。使い手として今は亡きZappのロジャー・トラウトマンが有名だった。
また1970年代に青春を過ごした方なら、トーキングモジュレーターという名前で覚えているかも知れない。BBA時代のジェフ・ベックや、ピーター・フランプトンの『ショー・ミー・ザ・ウェイ』のイントロを思い出してください。あれです。
それがまさかDSで出来るとは思わなかった。
トークボックスの構造はきわめて単純。スピーカー(大抵はホーン用のドライバを利用します)が入った箱にホースをつなぎ、口でくわえる。そして声を出さずに、喋る時と同じように口を動かす。すると口の中で音が共鳴し、まるで楽器が喋っているように聞こえる。
と、そういうモノなのだが、まさか、DSで出来るとは思わなかった!
なお、実演については「みっともないので動画は撮らないで」と金森さんがおっしゃるので、不肖、私が家に帰ってやってみた。ですが、やってみた結果、私も動画を撮られるのはみっともないと思い、音声だけだ。なんじゃそら。すみません。ではどうぞ(音声ファイル)。
はい。「アイラブユーベイベー」と聞こえませんでしたか? これは私の声ではなく、私の口腔内で共鳴するDS-10の音なのだ。
ではやり方。まず金森さんが以下のような音色設定を教えてくれた。どんな音でもある程度の効果は得られるのだが、これでトークボックス的使用法に理想的な倍音成分が得られる。
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| VCO2のノコギリ波を使用。音量と倍音成分を稼ぐためにVCAのDRIVEも上げる |
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| VCO2の信号をVCO2 PITCH INに接続。実際に出る音程とキーボードのピッチが合うように適宜調整。EGがVCA INに入っているのは音量を稼ぐため。MG WAVE OUTのPITCH IN入力はカオスパッドでビブラートを制御するためで、必須ではない |
ミキサーのPANで口をつけない側のスピーカーから音が出さないように設定。共鳴にはパワーが必要なので、DS本体のボリュームは最大に。そして音を出しながら、DS本体のスピーカーに口を近づけてパクパクするだけ。
ただ口でスピーカーふさがず、効率よく口の内に音を送り込むポジションを見つけるのは、ちょっと難しい。たとえば私は右の頬に上側の液晶を押し付け、左のスピーカーが口の脇にくるように持っている。そして持った手の親指でカオスパッドを操作しつつ、音程を操作している。
コツは喉の奥に音を当てるような気持ちで、口全体を喋るときと同じように動かすこと。人間の口腔内は、きわめて複雑なパラメトリックイコライザーのような役割を果たしており、多チャンネルの連続したフィルタ処理を高速度で展開しているのだ。
などと小難しいことを考えながらやると上手くいかない。でも自転車と同じで、要領さえつかめばいいだけだ。それには何度もやってみるしかない。
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| [MIXER]画面でPANを左目いっぱいに回して、右から音が出ないように |
もうひとつ、このワザはDS LiteよりDSiの方がやりやすい。スピーカーホールが片チャンネル1個しか開いていないこと、そしてスピーカー自体の音量が大きいことがその理由だ。
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| 6つの小さなスピーカー穴が分散して開いているDS Liteと違い、DSiは大き目の穴がどんと1個だけ開いている |
なお、このワザはDS本体をよだれだらけにする危険がある。その結果、DSの動作に支障をきたしたり、あなたの健康や生命を脅かす結果になったとしても、我々は一切の責任を負わないのでそのつもりで。
また、人前でこのワザを自慢げにやった後、うっかり「キミもやる?」とDSを手渡しすると引かれる場面もある。それも我々は関知しないのでそのつもりで。
セッション
では最後に、毎回恒例のセッション。各レッスンで作った音でパターンを組んでみたものの、金森さんの音が凄すぎてまったく歯が立たず。なお今回も船田さんの予定が合わず、DS-10を買って4日目の小林編集長を無理やり参加させた。
なお、例の「時限発火装置型」ハンドメイドミキサーは現在船田さんの手により改造中。そこでミキサーは四本の私物であるKORG ZERO4を使用。コルグの取材だからと点数稼ぎに持って行ったのではなく、これ以外にミキサーを持っていなかっただけなので念のため。
次回はDS-10 EXPOで謎の女声ボーカルサウンドを披露し、来場者を唸らせたヨナオケイシさんが登場。その音の秘密をごっそり教えてくれる予定。請うご期待!
またDS-10 EXPOの公式動画が、YouTubeとニコニコ動画で近日公開の予定。今回の金森サウンド講座も入っているそうです。こちらも請うご期待!
俺らは誰か!? そして何をするのか
電子工作からバンド演奏までさまざまな活動を行なうユニット。各活動に共通するテーマは「電気が通ること」。アナログ・デジタル問わず、電気が通って楽しいことなら、何でもやる覚悟。発起人のスタパ齋藤、船田戦闘機、上杉季明に加え、四本淑三、大木真一が参画中。
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