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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第12回

Inspiron Mini 12は「ハイエンドB5モバイル」キラーか (1/4)

2008年11月20日 09時00分更新

文● 西田 宗千佳

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Inspiron Mini 12

大きなディスプレーと薄いボディーが魅力の「Inspiron Mini 12」。従来のNetbookの概念とはいささか異なる製品だ

 Netbookというと、8.9型前後のディスプレーを搭載する、コンパクトな機種がほとんどである。だが、今回紹介する「DELL Inspiron Mini 12」(以下mini 12)は、12.1型液晶ディスプレーを採用した、比較的サイズの大きい製品である。

 「Netbookは欲しいがキーボードの小ささが……」と逡巡していた人には、注目の製品だろう。Mini 12は果たして、「ハイエンドB5モバイル」を駆逐できる存在なのだろうか? パフォーマンスから細かな操作性までをチェックしてみた。

Inspiron Mini 12

Inspiron Mini 12


「Netbook」の設計を使ったB5サイズのミニノート

 見出しで「Netbook」としておいて恐縮なのだが、Mini 12は微妙にNetbookの定義から外れる製品である。細かなスペックはともかく、一番違うのは価格だ。

 Mini 12にはCPUクロックと搭載HDDの容量で、2モデルのバリエーションが存在する(天板のカラーでさらに2種類に分かれる)。CPUクロックが1.30GHzで、60GBのHDDを搭載した「プレミアムパッケージ」が9万円弱、クロックが1.60GHzで80GBを搭載した「プラチナパッケージ」が10万円弱で販売されている。一般的なNetbookの場合、相場は5万円から7万円というところ。倍とは言わないがワンランク高いわけだ。

 10万円あれば、一般的なA4サイズのノートパソコンなら、比較的スペックの高いものが購入できる。「低価格なパソコン」としての価値は少々薄いと言わざるを得ない。だが、1.3kg(3ポンド)以下でB5サイズのモバイルノートとして考えると、価格はかなりお買い得なものになる。

 Let'snoteやdynabook SS、LOOX RにVAIO type T/Z、さらにMacBook Airといったいわゆる「モバイルノート」は、現行製品の場合、店頭実売価格は軒並み20万円を超える。それに比べると、おおよそ半額以下で購入できるわけだ。

 もちろん、CPU性能やバッテリー駆動時間は大きく異なるし、オフィス系ソフトが付属しないことなどもあわせて考えると、価格差は頷けないものではない。

最大の特徴である12.1型ワイド・1280×800ドットのディスプレー

Mini 12の最大の特徴とも言えるのが、12.1型ワイド・1280×800ドットのディスプレーだ

 だが、12.1型1280×800ドットと実用的な解像度のディスプレーを備え、ディスプレーサイズにあわせたタイプしやすいキーボードを備えるとなると、ただのNetbookよりも「モバイルノート的に使いたい」と考える人も出てくるだろう。

 Mini 12は、CPUにAtom Zシリーズを使い、メモリーも1GB。設計的には、まさにNetbookを少し大型のボディーに詰め込んでいる。言わば「Netbookからモバイルノートへのアプローチを行なった」のが、Mini 12と言っていい。

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