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PCゲームを堪能する片手用ゲームコントローラー小特集

2008年11月15日 20時02分更新

文● 西川善司・トライゼット

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 今回は人気FPSの「CRYSIS」で各製品を実際に使ってみた。


ノートPCゲーマーに適するWolfking Warrior

 まずWolfking Warriorだが、[W][S][A][D]による移動操作はすこぶる快適。さらに移動入力する指への力を緩めることなく、ごく自然にスペースキーでのジャンプ操作もできる。

 ただし、[Z]の隣にある[Shift]と[Ctrl]は、CRYSISではそれぞれ「走る」「しゃがむ」に割り当てられているのだが、ホームポジションから手を離さずに小指で押そうとすると、ミスタイプしやすい。[Ctrl]は[Shift]のさらに外側にある、縦長の方を押すのがよさそうだ。ちなみに、2つある[Ctrl]は共にキーボード左側の[Ctrl]に対応していて、どちらを押しても同じキー入力になる(つまり右Ctrlはない)。

 左端にある音量調節用の[V+][V-]ボタンはゲーム中にも効き、ゲームを中断することなく随時音量を変更できるのは便利だった。

 デスクトップパソコンに比較的大きめなキーボードつないでいて、十分それでプレイしやすいと感じているならば、あえてWolfking Warriorを導入する必要はないように感じた。一方、ノートパソコンでのプレイには、Wolfking Warriorは適すると思われる。ノートの前にフルキーボードを設置すると、画面が遠くて使い勝手が悪い。そんなときWolfking Warriorならば、ノートの左隣に置いて使えるので丁度いい。Wolfking Warriorは軽くてスリムなのでノート用キャリングバックに入れて持ち運ぶのも容易だ。

 また、パソコンを持ち寄ってネットワークプレイを楽しむLANパーティーの常連にもお勧めできる。ドライバーインストールが不要なので、自分のパソコン以外でプレイする際にも、接続するだけで使えるのが魅力なのだ。Wolfking Warriorでの操作に慣れてしまえば、いつでもどこでも玄人プレイを発揮できるのだ。


n52teは十字キーの設定に注意!?

 次なるn52teでは、前後左右移動を十字パッドに割り当てようとカスタマイズに挑戦してみたところ、少々ハマってしまった。

 筆者は最初、十字パッドに[W][S][A][D]の上下左右移動を割り当てる際に、律儀に斜め方向にも[W]+[S]のキーマクロを登録していた。ところがこのマクロでは、ゲーム側が[W]→[S]の時間差入力と認識してしまうので、操作がおかしくなってしまったのだ。

 十字パッドに[W][S][A][D]の上下左右移動を割り当てる場合は、パッドの4方向それぞれにキー入力を割り当てて、斜め4方向の入力には「Disable」を割り当てればいい。これだけで、十字パッド斜め入力時には[W]+[S]の入力ができる。

 [03][04][05]~[08][09][10]ボタンには、ジャンプやしゃがみ、走る、リロードといった使用頻度の高い基本操作を割り当てると、操作がしっくりときた。キーボードブロックにこうした操作を割り当てると、[15]キーやパッド上のトリガーボタンは完全に補助的な役回りとなる。

 小指は[12]にしっくりとあてがわれるので、ここに「走る」のような頻繁には使わないキー操作を割り当てるのも快適であった。逆に小指による入力を多用するなら、[06][11][12]あたりに使用頻度の高い武器を割り当てて、即座に武器チェンジするといった工夫も効果的だ。


CCUでは親指のつけ根が6本目の指として使える

 n52teと同様に、Saitek CCUでもアナログスティックに前後左右の移動を割り当ててみた。結論から言えばできたのだが、ちょっとコツが必要だった。

 CCUのカスタマイズソフトでは、アナログスティックの縦軸と横軸のそれぞれの入力を「%」区切りで分割し、その分割したそれぞれの領域に対してキー入力を割り当てる。例えば、「0~30%」に[A]キーを割り当てた場合、スティックを30%以上倒すと[A]キーの入力が発生する。細かく「%」設定を分割して、アナログスティックの倒し具合で異なるキーを入力したり、倒し具合で別のキーマクロを発動させる、なんてこともできる。

 「50%」が完全ニュートラル状態なのだが、誤差はあるので、遊びとなる領域を設定する必要がある。デフォルトのプロファイルなどを見る限りでは、アナログスティックをデジタルパッド的に活用するには、ニュートラル付近の遊びを「20%~80%」とかなり大きく取り、「0%~20%」と「80%~100%」の両端付近に入力キーを割り当てるのがいいようだ。

アナログスティックをデジタルパッド的に活用するには「バンド」モードにして、さらに「バンドの調整」で、スティックの倒し具合を「%」で分割し(右画面、赤枠部分が分割後)、それぞれの倒し具合に対応したキー入力を割り当てていく

 今回は奥方向に[W]、手前方向に[S]、左右に[A]と[D]を割り当ててみた。ちなみに、斜め方向の入力については特に設定せずとも、4方向設定だけすればちゃんと[W]+[A]の入力が行なわれる。

 この状態でCRYSISをプレイしてみたが、親指のアナログスティック操作による移動は、思った以上に自然に行なえる。スティック操作した感触は、天板を取りつけたジョイパッド状のn52teの方がよく、Saitek CCUは指に食い込むため長時間プレイに向かない印象を受けた。しかし8方向への入力は、Saitek CCUの方が直観的で自然だ。これは手が開いた状態で親指を十字パッドに置いて操作するn52teと、親指を内側に閉じた状態でアナログスティックを操作できるSaitek CCUとの違いが現われたようだ。

 キーボードブロックへのアクセスもSaitek CCUは優秀だ。特に、アナログスティックに親指を置いたまま、[21]のシフトボタンを親指のつけ根の荷重移動だけで押せるのがいい。使用頻度の高いゲーム中のリアルタイム操作は直押し操作を割り当て、そのほかの操作、例えばクイックセーブやマップ画面への切り替えなどを、[21]と組み合わせた操作を割り当てると、ほとんどキーボードは使わずにプレイできる。

 総ボタン数はn52teとあまり変わらないSaitek CCUだが、[21]ボタンの存在で、ゲーム中にできる操作が倍増している印象だ。


X6のテンキー脱着ギミックは実用的か?

テンキーパッドを左に装着して手を置いた

テンキーパッドを左に装着してのゲームプレイを試みたが……思ったほどの効果は無し。SideWinder X6の機能の主役はこの脱着ギミックよりも、キーマクロ機能の方にあると筆者は考える

 SideWinder X6では、[W][S][A][D]などの移動キーをテンキーパッドの[8][5][4][6]に割り当て、ジャンプとしゃがみをそれぞれテンキーパッドの[Enter][.]に割り当てて、CRYSISをプレイしてみた。

 キーが格子状に整然と並んでいるテンキーパッドによる方向移動の操作感は良好。ジャンプとしゃがみも、親指の左右の平行移動で俊敏に押せるので最高だ。

 しかし、「走る」動作用に小指を割り当てたいのに、左にはもうキーがない。テンキーパッドの[1]や[0]に割り当ててみたのだが小指の折り曲げが窮屈で少々つらい。

 そこで、テンキーパッドを右側に戻し、主キーボードを左側に置くオーソドックスなスタイルにすると、右手の小指が自然な形で[PgDn]に来るので大部改善される。それなら普通のキーボードを使い、テンキー部を中心にコントロールをカスタマイズすればいいんじゃないかと気づいてしまい、少々、虚無感に駆られてしまった。

 実際、SideWinder X6でいろいろとカスタマイズしていて気になったのが、設定ソフトではCtrl/Shift/Altなどの特殊キーを単体では割り当てできないという制約だ。例えば、Ctrlをテンキーの[0]、[C]をテンキーの[.]に割り当てて、[0]+[.]で「Ctrl+C」にするといった操作ができない。また、スペースキーやTabキーなども単体割り当てできない。これはかなり不便なので改善を強く望みたい。

特殊キーの単体割り当てができない制約がつらい

Ctrl/Shift/Altにスペースなど、特殊キーの単体割り当てができない制約がつらい

 結局のところ、SideWinder X6の魅力は、豊富なマクロキーと使いやすいマクロキー機能にある。普段はフルキーボードで難なくPCゲームをしていて、「オートマチックキー操作やキーマクロが欲しいな」と思っているなら、SideWinder X6はお勧めだ。

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