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PCゲームを堪能する片手用ゲームコントローラー小特集

2008年11月15日 20時02分更新

文● 西川善司・トライゼット

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テンキー部分がゲームコントローラーにSideWinder X6 Keyboard

SideWinder X6 Keyboard

SideWinder X6 Keyboard。写真はキーパッドを左に付けた状態

 これまで紹介した製品とは毛色の違う、フルサイズキーボードに片手用ゲームコントローラーの機能を付加した製品が「Microsoft SideWinder X6 Keyboard」(以下SideWinder X6)だ。

 SideWinderブランドと言えば、ジャイロセンサー付きジョイパッドや、フォースフィードバック機能付きハンドルコントローラー、そして冒頭で紹介したStrategic Commanderなど、斬新なゲーム周辺機器を多数リリースしていたブランドだった。2003年に一旦は事業を終息していたのだが、2007年に復活して以降は、ごく普通の周辺機器にPCゲーム向け要素を付加する、奇をてらわない堅実な製品ブランドとして生まれ変わったのだ。

 その復活版SideWinderブランドのキーボードSideWinder X6は、冒険心を押さえた実用性重視のゲーマー向け・フルサイズキーボードという風情の製品に仕上がっている。

基本設置状態はこのスタイル

基本設置状態はこのスタイル。パッと見たところは、やや大きめの普通の106日本語キーボード

 メインのキーボード部は、ごく一般的な106キーの日本語キーボードになっており、普通のキーボードとして使える。特にエルゴノミクスを考慮したデザインを採用しているわけでもないので、奇抜なキーボードを嫌う人でも安心だ。

 拡張機能として目を惹くのは、最上段部の追加キー/特殊コントローラ達だろう。これらの大半はゲーミング向きというよりは、普段のパソコン操作でも便利に使える。

 右端のツマミは音量コントロールダイアルで、ゲーム中でも調整可能だ。音量ダイアルの隣はキーボードバックライトの輝度調整ダイアルで、左右に回すとキーボード内のLEDバックライトの明るさを変えられる。これだけのためにダイアルを実装する贅沢な発想は、さすがはマイクロソフト……といったところか。

バックライト点灯時のキートップの視認性は他機種より良好

バックライト点灯時のキートップの視認性は他機種より良好。テンキー部は後述のバンクモードによって、バックライトの色が橙にもなる

 SideWinder X6のバックライトは、メインキーボードとテンキー部が赤(モードによって橙)に、キーボード左端にある6個のマクロキー部は橙に点灯する。キーの周囲が明るいだけでなく、キートップをも美しく描き出してくれるおしゃれなデザインになっている。この美しいキートップのライトアップは、暗い室内でのゲームプレイには重宝する。

 また細かい配慮で嬉しいのは、FPSゲームで移動に割り当てられる[W][S][A][D]キーは、キートップ手前も発光するようになっているところ(写真では分かりにくいが)。ホームポジションから手を離さなければならないときにも、この光を目印にすれば比較的早く手を戻せる。

 その左隣には、高機能型キーボードにはよく見られるメディア制御ボタンや、音量のミュートボタンもある。ライトアップキーの特徴と兼ね合わせると、SideWinder X6はホームシアターパソコン向けのキーボードにも向いているかもしれない。

特殊ボタンは本体左側上部に集中している

特殊ボタンは本体左側上部に集中している

 上部左端の丸みを帯びた「N」のようなボタンは、Windows Vistaでは「ゲーム エクスプローラ」を開くクイック起動ボタンになる。その隣の「人が走っている非常口サインみたいなボタン」は、SideWinder X6ならではの特殊ボタン「クルーズコントロール」ボタンだ。

 クルーズコントロールボタンを押しながら、何かのキー操作をすると、そのキー操作を再びクルーズコントロールボタンを押すまで、無限に続けてくれる。例えば、ゲーム中にある方向へずっと歩き続けたいときなどに重宝する。動画編集ソフトなどの巻き戻し/早送り操作の押し続けにも使えるかもしれない。ただしこのクルーズコントロールは、マウス操作や後述のマクロキーには使えない。

 さらにその隣の、日の丸のような[●]ボタンは、ドライバーソフトでの登録設定をしなくても、リアルタイムにキーボードマクロを登録できる「インゲーム マクロ記録キー」だ。

 使い方は簡単。まずマクロ記録キーを押すと横のインジケーターが点灯するので、キー操作を登録したいマクロキー(後述)を押す。するとインジケーターが点滅し始めるので、覚えさせたい任意のキー操作や、マウスクリックを行なう。入力が終わったらマクロ記録キーもう一度押して登録完了。覚えさせた操作を実行したいときには、そのマクロキーを押すだけでいい。

 この機能が活躍するのは、反復的なキー操作を繰り返し用いるような場合だろう。キー操作とマウスクリック(クリック操作だけで、カーソルの位置は無視される)を順序立てて記録できるため、MMORPGなどでの退屈な操作に活用すると便利そうだ。

 キー操作の再生は、記録当時のキー入力間隔までを忠実に再現する。キー入力のリズムが重要な操作、例えばエモートアクションをつないでダンスを踊らせる、なんてことにも使える。任意のキー操作を1キーで再生できるとなると、ゲームだけでなく、実用ソフトなどにも使えそうだ。アイディア次第ではいろいろと活用できそうな機能ではある。


充実のキーマクロ機能

 「マクロキー」というキーワードが出たが、このマクロキーの存在こそが、SideWinder X6特有のゲーマー向け拡張要素だ。主キーボードの左端にある[S1|S7]~[S6|S12]キーと、取り外し可能なテンキーパッド部のキーすべてがマクロキーである。

テンキー部は脱着が可能

テンキー部は脱着が可能。コネクター部分の磁石で固定される

SideWinder X6の設定画面

SideWinder X6の設定画面

 マクロキーは主キーボード側に6個、テンキーパッド上には18個の合計24個。主キーボード側の6個のマクロキーは、その最下段にある[1|2]ボタンでのシフト操作に対応していて、6個のボタンに2シフト状態の計12個分のマクロキーとして利用できる。

 さらに、マクロキー設定は3つのバンク(プロファイル)として設定できる。バンク切換は本体上部中央付近の、[1,2,3]と書かれたボタンで順送り式に行なえる。

 このバンク機能もちょっと特異なので説明しておこう。バンク1は標準モードで、マクロは主キーボード左端の6個のマクロキーにしか登録できない。つまり、バンク1ではテンキーパッドはテンキーとしてのみ機能する。

 バンク2とバンク3はゲーム向けで、テンキーパッドもマクロキーとして利用できる。なにやらややこしいが、テンキーパッドをマクロキーとして使える時はバックライトが橙色、テンキー状態では赤色に光るので、視覚的に分かるようになっている。

設定ソフトでの、バンク番号とアプリケーションの関連づけ

設定ソフト側で、それぞれのバンク番号と、特定のゲームやアプリケーションに関連づけられる。また、、ゲームの起動と同時に使いたいバンクに自動切換する仕組みもある。この辺りの凝り方は実にマイクロソフト的

 テンキーパッドをキーボードの左右どちらにも装着できるのが、SideWinder X6ならではのユニークなギミックだ。このギミックをどう活用するかはユーザー次第だが、筆者は、テンキーパッドを左側に装着し、テンキー部に移動やアクションなどのキー操作を割り当ててみた。

 一見、テンキーパッドにはマクロしか割り当てられないように思えるが、設定ソフトで任意のキーに対して、「一覧からコマンドを選択する」→「キーボード操作」を選択し、割り当てたいキー操作を設定することで、任意のキー入力をテンキーパッドでも行なえるようになる。

「一覧からコマンドを選択する」を選び……

キー設定からカスタマイズしたいキーを選択

「キーボード操作」で任意のキーを割り当てる

「一覧からコマンドを選択する」を選び……

「キーボード操作」で任意のキーを割り当てる

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