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古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第37回

ちょいワル育児サイト「3歳シリーズ」黒Flash職人の素顔

2008年11月12日 12時00分更新

文● 古田雄介

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面倒だから、印税も収益もばーんと寄付

── キャラクターがヒット、書籍を含めてグッズ展開、というのは今でこそ1つの成功法則になっています。2004年からその展開を始めていますよね。

G-STYLE 書籍などで臨時収入があったのがきっかけです。近所に乳児院があって、そこに3歳シリーズ関連の収益は全部寄付しようと考えたんですよ。

 詳しくは寄付付き商品化のページや「Gスタのなんでもない場所」というページにまとめておりますが、この年になって学んだ事は数多くありました。

  寄付付き携帯ストラップ・マグカップにご協力して頂いた方も基本的には個人ベース参加なんですよ。でも何千個単位ですからもの凄い金額なのに「作りましょう!」って、それまでやっていた商品化でも家内工業でラベルを作ってくれたり、無償でソフトウェアを作ってくれたり、マウスパッドを大量に作ってくれたり(笑)

 協力していただいた皆さんには、今でも大変感謝しています。

「3歳シリーズ寄付付き商品化はじめました」ページ。取り組みのきっかけとなったエピソードをまとめたFlashとともに、協力者のリンクがまとめられている


── すごいですね。でも、寄付をしようという考えはかなりホワイトです。黒Flashから、なぜそこに行き着いたんですか?

G-STYLE これもやっぱり書籍なんですよ。2004年11月に『3歳シリーズ きちゅび』(司書房)という本を出版して、収益で70万円くらいいただいたんですね。

 ただ、普段は普通にサラリーマンをしていますから、副収入が入ると税務署に確定申告を出さないといけない。色々面倒が増えるんですよね。

 実際に申告したら「じゃあ税金1万6000円払いなさい」と言われまして。まあ払ったんですけど「色々手間が増えて、税金も取られるなんて、そんなんだったらいらねーわ!」という気分になりまして(笑)

 それ以来、3歳シリーズの収益は、気に掛けていた乳児院さんに直接振り込んでもらうようにしたんです。


── 普通、そうはならないと思いますけど……(笑) それに、純粋に面倒なのであれば、グッズを販売したり、サイトの更新もしないはずですよね。それでも続ける原動力は何なんでしょう?

G-STYLE やっぱり「見てもらえている」というのが大きいですよ。今は最盛期からだいぶ落ち着いていますけど、読者が完全にいなくなるまでは、更新も続けていこうと思っています。

 更新がストップするならそう宣言するでしょうけど、サイトを消すことはないと思います。あと、名前を隠して黒Flashは作っているかもしれませんね。

 ……まあ、もうそんな歳じゃないけど。40歳近くなってお祭りFlashとか作っていると「お前、バカか」と言われそうですけど、今もこっそりやっていたり(笑)


── 上のはると君は8歳で、下のはやと君は4歳ですよね。数年経っても続けられますか?

G-STYLE 本人から「止めてくれ」って言われるでしょうね(笑)

 ただ、3歳シリーズというのはネタというより人生そのものというか、リアルな話そのものなんですよ。だから、子供のネタができなくなったら嫁のネタ、嫁のネタができなくなったら会社のネタをやろうかなって思っているくらいで。

 会社も結構面白いんですよ。「マウスでここをクリックするんです」って教えたら、ディスプレイにマウスをぶつけてクリックしながら「動かん!」と叫ぶ人がいたりして


── 会社ネタも「3歳シリーズ」に?

G-STYLE いや、それはどうでしょう(笑)

 (次のページ: 子どもへの影響をどう考えている?)

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