古田雄介の“顔の見えるインターネット” 第37回

ちょいワル育児サイト「3歳シリーズ」黒Flash職人の素顔

面倒だから、時間はぜーんぶ1分26秒

──　G-STYLEさんは、そうやってさりげなく色々な工夫をしていますね。全作品の長さを約1分半に制限しているのも、作品の軽さを保つためですか？

G-STYLE　いや……あれはですね、最初に作った時の音楽の長さなんです。初期に使用した北朝鮮の「フルラリ」という曲の尺（長さ）がたまたま1分26秒だったので、全部それを使っているんですよ、だから基本的に音のファイルは1つしかありません。

　現在使用している音楽は書籍化の際に作ってもらった曲『きちゅびちゅっちゅ』（作曲／スパーイ大作）ですが、同じファイル名で同じ尺の1分26秒になっています。

3歳シリーズの初期作品「3歳の主張」（左）。線が細く、体はねずみ色だった。中期以降は現在のスタイルが確立した。画像は「言語発達」（右）

──　あ、そうなんですか（笑）　でも、その枠を上手く使っていますね。詰め込みすぎず、薄くしすぎず。

G-STYLE　そう言っていただくとうれしいです。時間の枠があると、表現できることも限られてきます。だから、単発のネタをシンプルにまとめるという感じの作風になりましたね。今の作風は色々と手抜きをした結果といえます。量産型なので更新もすごく楽なんですよ。

──　ちなみに、どれくらいの時間と頻度で作品を作っているんですか？

G-STYLE　追加の絵を描かなくていい簡単なものなら2～3時間ですね。1日に2～3本作って、最盛期は4～5日に1本のペースでアップしていました。

　ただ、掲載した2倍くらいのボツ作品がありますから、結構ムダも多いかも。最近サボっていますけどね。

──　これは個人的な好みなんですが、安易な育児系と動物系のコンテンツって苦手なんですよ。「カワイイよね～」ってアピールされてもさぁ……と冷めてしまう。その点、3歳シリーズはそっち方面のニオイをうまく処理しているからさらさら読めるんです。これはねらいですか？

G-STYLE　いや、たまたまそういう趣向なだけですよ。たしかにカワイイ系ではないですね。実際「かわいいですね」と言われるより、「こいつらヒドイ、笑った」と言ってもらう方がうれしいですし。

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