このページの本文へ

特集・冬ボーナスで買う薄型テレビ 第5回

世界最薄「つまめるテレビ」、ソニーZX1脅威の仕組み

2008年11月12日 16時11分更新

文● 鳥居一豊

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

エッジライトLEDって何?

テレビ事業本部 映像デバイス部門 開発1部 開発1課 LCDパネルエンジニア 永谷真平氏

 つづいて、ZX1のコア技術となるエッジライト方式白色LEDバックライトについて、LCDパネルエンジニアの永谷真平氏に解説してもらった。

 構造的には、導光板(光ファイバーが板状になったようなもの)の周辺に白色LEDを配置。そこに周辺から光を当てることでバックライト全体を光らせるという仕組みだ。

 光ファイバーの先端に光を当てると逆側が発光し、ファイバー全体も明るく光る。これを板状にしたのがエッジライト方式というわけだ。

 従来のバックライトは複数の蛍光灯を内蔵したものなので、薄型化をするには限界がある。だが、このエッジライト方式なら厚みは導光板のみ。大幅な薄型化への第一歩が踏み出せたのだ。

 混同しがちだが、こちらは「BRAVIA XR1」が搭載しているLEDバックライトとは異なる。LEDバックライトは赤・緑・青の3色LEDをセットにして光源としているのに対し、こちらは白色LEDを使っているのだ。

 永谷氏によれば、白色LEDはもともと照明、ライティング用に登場したもの。明るさは十分なのだが、色がやや黄色っぽいのだという。ここから純度の高い3原色を取り出すためには明るさだけでなく色にもこだわる必要がある。

 数々の白色LEDを吟味するなどにより、十分な明るさと広い色再現を可能にする純度の高さも両立している。

 次に問題となるのは光ムラだ。ノートPCのような小画面サイズではあまり問題にならないが、大画面では導光板全体を均一に光らせることが難しい。このまま映像を表示すれば、輝度・色ともにムラが出るため、高画質化は難しい。

 そこで背面に反射特性を制御した反射パターンを備え、より発光が均一になるようにしている。この反射パターンは、光を反射させる小さな白板のようなものの集まりだ。

 白色LEDから近い周辺部は明るさも十分なので反射パターンは小さく、逆に光が届きにくい中央部ほど大きい。これで画面全体の明るさを調整し、大画面でも均一の明るさを実現できたのだ。

カテゴリートップへ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中