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【プロに訊く!】一問一答 Hyper-V基礎の基礎 第2回

Hyper-Vの入手方法やライセンスについて教えて!

2008年11月28日 04時00分更新

文● マイクロソフト 浅野 智/聞き手 ASCII.jp

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マイクロソフトのサーバ仮想化ソフトウェア「Hyper-V」。このHyper-Vの仕組みや入手方法、さらに導入の仕方や使い方を、マイクロソフトの専門家が、Q&A形式で疑問に答えます。

答える人:マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 コアインフラストラクチャ製品部 シニアプロダクトマネージャ 浅野 智氏

Hyper-Vはどのように入手するのですか?

 サーバーの仮想化を始めるには、まず仮想化ソフトウェアであるHyper-Vテクノロジーが必要です。Hyper-Vテクノロジーは次の2種類の方法で入手できます。

1. Windows Server 2008:Hyper-Vテクノロジーは、Windows Server 2008に標準で含まれています。Windows Server 2008 Standard Edition、Enterprise Edition、Datacenter Editionのいずれにも含まれますが、それぞれのエディションで機能と仮想ライセンスに違いがあります。

2. Microsoft Hyper-V Server 2008:Microsoft Hyper-V Server 2008は、無償で仮想化実行環境を提供する新しい製品です。マイクロソフトのサイトから無償でダウンロードでき、すぐに仮想化環境を構築できます。しかし、Windows Serverと違ってグラフィカルなユーザーインターフェースはなく、コマンドラインのみの操作になります。また、「Quick Migration」と呼ばれる冗長構成機能も提供されません。また管理ツールが必要なら、「Windows Server 2008 Hyper-V Manager」もしくは「System Center Virtual Machine Manager」という製品が必要になります(いずれも有償)。

Hyper-V各エディションの違い

Standardでは、1台分の仮想サーバーライセンスしか付属していません。しかし、Standardを購入した場合でも追加でWindows Server 2008のライセンスを購入すれば、実行できる仮想サーバーを増やすことができます

 運用管理についても触れておきましょう。仮想サーバーの管理には2つのツールを提供しています。

1. Windows Server 2008 Hyper-V Manager:Hyper-V ManagerはWindows Server 2008に含まれる標準の管理ツールです。1台の物理サーバー上で動作する仮想サーバーの作成、削除、実行、停止、移動など、運用に必要な基本的な機能をすべて備えています。

2. System Center Virtual Machine Manager (SCVMM) 2008:仮想化環境を実行する物理サーバーが数台であれば、Hyper-V Managerでも十分対応できます。しかし、物理サーバーが5台、10台と増えるにつれて、単一コンソールで一元的にすべての仮想サーバーを管理するニーズが出てきます。そうした運用管理を一元化するのがSCVMM 2008です。SCVMM 2008では、複数台の仮想サーバーを一元的に管理するだけでなく、Quick Migration(クラスタ構成)やライブラリ機能を備えており、企業システムでの運用をサポートします。

 System Center製品にはSCVMM以外にも、仮想化環境のLiveバックアップを取る「System Center Data Protection Manager 2007」や動作監視をする「System Center Operations Manager 2007」などがあり、仮想化環境・物理環境問わず社内のリソースを一元監視できます。

運用開始時に、通常のサーバーとは異なる注意点はありますか?

 仮想化で気をつけなくてはならないのは、仮想化環境におけるユーザー権限です。通常、サーバーは施錠されたサーバールームにおかれ、誰でもアクセスできる状態にはありません。新規にサーバーを設置したり排除したりするには、計画から実施まで、スペースや電源なども含めて、社内で合意される必要があります。しかし、サーバーが仮想化されると、アクセス権のあるユーザーなら誰でも簡単に新規仮想サーバーを立ち上げたり、削除や移動ができてしまいます。結果として、サーバーリソースを無駄に消費してしまう可能性があります。

 SCVMM2008に備わる権限委任機能を利用すると、「あるユーザーは仮想サーバーを実行・停止できるが、新規に作成することはできない」など、ユーザーが実行できる作業を細かく設定でき、仮想サーバーの乱立を防ぐことができます。


 

サーバー統合には、どのライセンスがお勧めですか?


 

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