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Windowsが使えるMS流クラウド(前半)

PDCで明かされた「Windows Azure」の秘密

2008年11月06日 04時00分更新

文● 塩田紳二

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Azureでできること

 Azureでは、基本的なサービスとして

  • Live Services
  • .NET Services
  • SQL Services
  • SharePoint Services
  • Microsoft Dynamics CRM Services

の5つが提供される。

Azureの上部に各種のサービス(Services)が載る。これらの利用は任意で、不要なら利用しないことも可能だ

Azureの上部に各種のサービス(Services)が載る。これらの利用は任意で、不要なら利用しないことも可能だ

 Live Servicesは、現在のLive Mesh(日本ではサービスは正式開始になっていない)などのWindows Liveの機能を利用するためのLive Frameworkに対応するサービスだ。これを使うことで、データの同期機能などをクライアント側に追加できる。Live Services自体はシステム独立であるため、PHPなど他のシステム経由で利用することも可能だという。

 .NET Servicesは、.NETをクラウドで利用するためのもので、かつてZurichというコードネームで呼ばれていた。たとえば、シングルサインオンを可能にするユーザー認証などがここに含まれる。また、サービス同士を接続するService Busと呼ばれる機能やワークフローコントロールも提供される。

 SQL Servicesは、SQL Serverを使ったデータサービスだ。これもかつてはSQL Server Data Services(SQL SDS)などと呼ばれていたもの。

 SharePoint ServicesとMicrosoft Dynamics CRM Servicesは、オンラインサービスであるSharePoint OnlineとMicrosoft Dynamics Onlineのユーザーインターフェイス部分を含まないコア機能のみを提供するもの。これにより、Azure上で動作するアプリケーションは、これらの機能を部品として利用できるようになる。

 これらのサービスの下に来るのがWindows Azureだが、これは、仮想環境の中で動作しているWindows Server 2008だという。大規模なデータセンターを構築するための基盤として作られたもので、強化されたHyper-Vや仮想化されたストレージ、システム配置のための「ファブリックコントローラ」などからなる。これはかつて「Red Dog」というコードネームだった。簡単にいうと、ユーザーにWindows Azureとして提供されるのは仮想マシンの中で動作するWindows Server 2008とそこから利用できるサービス、そしてストレージのシステムである。

Windows Azureは、基本的な実行環境を提供する。これはOSそのものだ。

Windows Azureは、基本的な実行環境を提供する。これはOSそのものだ。

Liveサービスも利用可能に

 このWindows Azureに加えて、マイクロソフトは既存のLive系やオンライン系のサービスも同時に提供する。それが、

  • Windows Live
  • Office Live
  • Exchange Online
  • SharePoint Online
  • Dynamics CRM Online

のサービスである。これらは、それぞれ独立したサービスとして運用されているが、Azureとの連携が可能となる。


 

 (次ページ、データセンターに構築された「鏡像」へ続く)


 

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