そもそもNetbook/UMPCのよさって……
データの読み書きが高速で大容量なHDDを搭載し、画面も広くなって文字が読みやすくて、さらにキーボードも安定して打てる──。まさに「いいことづくし」なわけだが、ここで編集部に1000H-Xが来た際、O編集が発した第一声が思い起こされる。
「これって、普通のノートPCですよね?」
そう、画面解像度の制約はあるとはいえ、そつなく使える「優等生」なノートパソコンなのだ。
ほかのEee PCは、何かを潔く絞り込む代わりに、モバイルノートやサブノートとしてのメリットを伸ばして、既存のノートパソコンとは明らかに違う価値観を打ち出していた。
例えば、901-Xならバッテリー駆動時間だろう。内蔵SSDの容量はCドライブ4GB+Dドライブ8GBと必要最低限だが、小型で重量が1.1kg、しかもバッテリー駆動時間が8.3時間(JEITAバッテリ動作時間測定法 Ver1.0)と長いところが大きな魅力だった。
900-Xならより求めやすい価格だろう。バッテリー駆動時間は4.3時間と901-Xよりも短いけれど、実売ベースで1万円ほど低価格かつ軽量(0.99kg)で、内蔵のSSD容量もCドライブ8GB+Dドライブ8GBと大きいところがウリだ。
何より901-X/900-Xとも液晶ディスプレーが8.9型なので、カバンに入れても占有する領域が少なくて済む。どうせメインマシンがあるからデータはそっちに保存しておけばいい。それならば、少しでも軽くて小さいほうが持ち運びやすいほうがいいじゃないか──(しかもSSDで衝撃に強いし)。
そうした小ささや軽さにこだわってEee PCをサブマシンとして見てきた身から言えば、液晶ディスプレーが10型で重量が1.54kgという1000H-Xは、少し選択肢から外れてしまう。むしろ日本発売が期待されている「Eee PC S101」のほうに目が移る(関連記事)。
ただ、「そろそろ自分のノートパソコンが古くなってきたし、なるべく安くて新しいものに買い替えたい……」という目的でEee PCシリーズの中から選ぶなら、迷わず1000H-Xをお薦めしたい。販売価格も6万円を割っており、Netbookとしては標準的な価格帯だ(ASCII.jp価格比較、Amazon.co.jp)。これからNetbookを購入しようと考えている人は、ぜひ店頭で触って自分の用途に合うかどうかを見極めてほしい。