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西田 宗千佳のBeyond the Mobile 第11回

テキストメモ専用機「ポメラ」は使える道具か?

2008年10月31日 09時00分更新

文● 西田 宗千佳

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反射型モノクロ液晶で「テキスト編集」
フォントの読みやすさは高評価

ポメラの液晶パネルは4型のモノクロ反射型液晶パネル

ポメラの液晶パネルは4型のモノクロ反射型液晶パネル。解像度は640×480ドットで、テキスト表示/入力には十分読みやすい

 ディスプレーは、反射型の4型モノクロ液晶パネル。サイズ的にも画質的にも、小さめの電子辞書に採用されているものと同じと考えていい。久しぶりにバックライトのない液晶ディスプレーを長時間使ったが、目に優しく読みやすく、「これはこれでいいな」と感心した。

 当然、光がないとまったく見えないわけだが、開口率が高いようで、少ない光でも意外にしっかり見える。飛行機内の読書灯程度でも十分、という印象だ。とはいえ、「プレゼンのために室内を暗くした」ような状況は、根本的に苦手である。

 ポメラは「単機能商品」であるため、電源を入れるといきなり文書編集画面が表示される。ウィンドウの切り替えなども存在せず、「編集画面だけが全体に表示される」という、きわめてストイックな作りだ。画面下部2ライン分はステータス用に使われているものの、それ以外はすべて編集画面だ。

標準では白地に黒い文字だが、反転表示も可能

標準では白地に黒い文字だが、反転表示も可能

 表示フォントに採用されているのは、丸ゴシック系の非常に見やすいものだ。画面表示は「24×24ドット」「32×32ドット」「48×48ドット」の3パターンが用意されているが、フォントはどうやら24ドットのものと32ドットのものの2種類だけであるようだ。48ドットは24ドットのものを拡大表示している。「拡大表示」というあたりが、DOSやワープロ専用機の全盛期だった1980年代後半から1990年代前半の機器を思わせる。文字サイズはメニューからの変更のほか、「F6」キーによっても変更可能となっている。

行間 小

行間 小

行間 中

行間 中

行間 大

行間 大

文字サイズは3種類。「小さな文字は読みづらい」ということがなければ、24ドットフォントを使うのがいいだろう。行間を広めにとると、見やすさはかなり向上する

 文字サイズのほか、行間の設定も変更可能だ。筆者の感覚では「小」の設定はちょっと読みづらく、「中」あたりが適切な印象だ。もちろん行間を広げると、一度に表示可能な行数は減る。

 ポメラの画面は小さく、一度に横26文字までしか表示できない。これを「狭い」と感じるかどうかは、用途やニーズにより意見が分かれるところだろう。筆者の印象でいえば、「意外と快適」というところである。26文字というのは、雑誌など印刷物の「一段」の文字数から言えば、少々多めくらいの印象だ。一目で一行を認識すると考えると、ちょうど限界くらいの文字数ではないかと感じる。

 一方で、PC上で画面いっぱいにワープロやエディターの画面を広げて、表示文字数を多くして編集するスタイルの人には違和感があるだろう。筆者は「見やすい文字数に狭めて使う」タイプなので、これでも問題は感じなかった。

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